血の贖罪 <가시꽃> | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

<クライム>

 監督:イ・ドング

 出演:ナム・ヨヌ、ヤン・ジョア



まぁ~、暗い。まぁ~、救いがない。


静かに。ちょっとドキュメンタリーちっくに撮ってる箇所も多くて。飾り気がなく。言いたいことはストレートに伝わってきます。


なんか、でも。若い時の過ちって。やっぱりあるよね。


決して故意ではなかったとしても、自分の行動が人を傷つけたとか、誰かの人生を変える程の出来事が、実は自分のせいだったとか。

そんなことがあったかも知れない。世間知らずの頃なら尚更。


まぁ、死ぬまでその事実を知らなければ、その人の人生には無かったことになる訳だけど。

考えてみると恐ろしいね。


この映画の男性達も、10年前のことなんてまるっと忘れて、それぞれの日常を過ごしてる。

頭の隅っこに隠れていたとしても、まさかそれを毎日反省しながら生きている訳もなく。

多かれ少なかれ、みんなそんなとこはあると思うんだ。

無論、この男性達みたいに、故意に他人を傷つけた・・・っていうか明らかな犯罪行為は言語道断だけれども。


謝ったり、反省したり。頭のどこかにずっと残ってる後悔もあって。でも、それを毎日考えて生きてるわけじゃない。

この映画にも出てくるけど、被害者側もそうなんだよね。

傷ついて、死にたくなったりもするけど。それでも人生を続けるならやっぱり。。。食べたり笑ったりもする。


私もさ。加害者であったり。被害者であったり。長い人生、色々あった。

反省も後悔も。心の傷もある。

それでも。

その思いが毎日私を痛めつけている訳ではなく。。。食べたり。泣いたり。笑ったり。。。傷や後悔とは関係ないとこで進んでいく時間が、実は殆どで。


女性が言うんだよね。

過去の傷を吐き出して。「あいつらは許されてると思ってて!普通に暮らしてるんだ!」って。泣きながら。悔しそうに。


そう考えると本当に殺したくなるでしょう。そりゃそうだよ。

それでも。

代わりに殺してくれる人も普通はいないしね。人間止めちゃうのも簡単じゃないし。


ならやっぱり。

辛い記憶はなるべくどっかに閉じ込めて。

食べたり笑ったり。別のいろんな事で頭の中を埋めていくしかないんだよね。

そんなことを今一度、改めて考えさせてくれた作品でした。