Epic Games CEO Tim Sweeney氏  日本最大のゲーム開発者向けイベント,CEDEC 2012がパシフィコ横浜で開催されている。ここでは,イベント2日め(2012年8月22日)に行われた,Epic GamesでCEOを務めるTim Sweeney氏の講演の模様をお伝えしたい。  さて,Tim Sweeney氏といえば,Unreal Engineの生みの親である。常にゲーム業界の最先端に立ってテクノロジの進化を牽引してきた人物だが,同時にゲーム業界きってのビジョナリストとしても知られており,自らも「将来の予測をするのが好きだ」と語っている。  ちなみに,氏は,2008年にもCEDECで講演をのだが,DQ10 RMT,そのときのテーマが「2012年から2020年にかけてのゲーム開発について」と,まさにこれからのゲーム開発のことについて語るという内容だった。2008年当時語られていた内容と現在の状況とを比べると「いくつかはまだ追いついておらず,いくつかはすでに常識的になっている」といったところだろうか。氏自身も,予測については「ほとんど外れたことはない」と胸を張る。  そんな氏が,2012年になって語るゲーム業界の未来はどのようなものなのだろうか。  講演は,Epic Gamesの仕事の説明から始まった。同社が作るUnreal Engine 3(以下UE3)が,さまざまなプラットフォームにおいて重要なゲームエンジンとなっているのは周知のとおり。そのため,同社は多くのハードウェアベンダーと密接に協業している。テクノロジの長期的なロードマップを立てることで業界の進路を導いているというのが同社,そしてTim Sweeney氏の立場なのである。  Epic Gamesでは,「同社の作る製品はすべて“Epic”でなければならない」として,自ら業界の最先端に立ち続けることを使命としているという。そして実際,ハイエンドなグラフィックスと画期的なシステムを自ら示すことで業界をリードしている。  同社の開発スタイルで特徴的なのは,エンジンとゲームを同時に開発することだ。ゲーム開発は,エンジンが今後どうなるかを考えたうえで進め,エンジンの改良もゲームの生産性を上げる方向で行うという,ドラクエ10 RMT。単に新たなテクノロジを開発するだけでなく,成果物も同時に世に出すことで実装面でのノウハウを溜めて,テクノロジ自体をより使いやすいものにしていくということであろう
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