今週の担当は司法書士の木藤です。

<登記手続に適した遺言書とは?>
当コラムでもしばし「遺言書の形式は厳格」とご案内させて頂いております。特に、自筆証書遺言を作成する際は民法の規定通りに形式が整っているか否か、こちらが最重要となります。形式に不備がありますと遺言書そのものが無効となることもありますので、作成には慎重を期すべきです。
慎重に慎重を期して作成した遺言書。法律的には全く問題が無い場合でも、そちらが不動産登記手続の観点から適切な形式を備えているか否かは、別の議論となります。
例えば、この様な事例
父 山田太郎 :遺言者(被相続人)
母 山田花子 :法定相続人
子 山田一郎 :法定相続人
子 山田二郎 :法定相続人
孫 山田大地 :受贈者
父・山田太郎は生前に遺言書を作成していました。
「中央区京橋一丁目の実家は、孫の山田大地に遺贈する」
遺贈とは、遺言書による贈与です。本来、被相続人・山田太郎の法定相続人は、母(妻)の花子、及び、子の一郎、二郎となります。しかし、法定相続人以外の方に遺言書により贈与することも、もちろん可能です (※但し、遺留分減殺請求という別の議論もあります)。
こちらの遺言書は法律的にもちろん有効です。当事者にとっても「実家」と表記されていれば、どちらの物件であるか特定がつきます。
それでは、実家の名義を山田大地に変更する「所有権移転登記」を法務局に申請する際に、こちらの遺言書は使用できるでしょうか?
申請された登記は法務局の登記官によって調査(審査)されます。登記官は「山田家の実家」と言われても、一体どの不動産のことか、特定がつきません。登記申請の際は土地の地番、建物の家屋番号等でしっかり特定をしないと、対象不動産が不明という理由で、最悪の場合は登記が不受理となります。
つまり、法律的に問題が無い遺言書と言うだけではなく、不動産登記手続にも適している遺言書を作成する必要があります。
せっかく、遺言者の想いを遺言書にしたためても、結局カタチにならないとなると、とても残念な結末です。
※この様な残念な結末を回避するためにも、プロである公証人にお手伝いをして頂く「公正証書遺言」はお勧めです。
ところで、上記の遺言書が登記で使用できないとすると、受贈者である山田大地への名義変更をすることは全くできないのでしょうか?
こちらについては次回にご案内したいと思います。

<登記手続に適した遺言書とは?>
当コラムでもしばし「遺言書の形式は厳格」とご案内させて頂いております。特に、自筆証書遺言を作成する際は民法の規定通りに形式が整っているか否か、こちらが最重要となります。形式に不備がありますと遺言書そのものが無効となることもありますので、作成には慎重を期すべきです。
慎重に慎重を期して作成した遺言書。法律的には全く問題が無い場合でも、そちらが不動産登記手続の観点から適切な形式を備えているか否かは、別の議論となります。
例えば、この様な事例
父 山田太郎 :遺言者(被相続人)
母 山田花子 :法定相続人
子 山田一郎 :法定相続人
子 山田二郎 :法定相続人
孫 山田大地 :受贈者
父・山田太郎は生前に遺言書を作成していました。
「中央区京橋一丁目の実家は、孫の山田大地に遺贈する」
遺贈とは、遺言書による贈与です。本来、被相続人・山田太郎の法定相続人は、母(妻)の花子、及び、子の一郎、二郎となります。しかし、法定相続人以外の方に遺言書により贈与することも、もちろん可能です (※但し、遺留分減殺請求という別の議論もあります)。
こちらの遺言書は法律的にもちろん有効です。当事者にとっても「実家」と表記されていれば、どちらの物件であるか特定がつきます。
それでは、実家の名義を山田大地に変更する「所有権移転登記」を法務局に申請する際に、こちらの遺言書は使用できるでしょうか?
申請された登記は法務局の登記官によって調査(審査)されます。登記官は「山田家の実家」と言われても、一体どの不動産のことか、特定がつきません。登記申請の際は土地の地番、建物の家屋番号等でしっかり特定をしないと、対象不動産が不明という理由で、最悪の場合は登記が不受理となります。
つまり、法律的に問題が無い遺言書と言うだけではなく、不動産登記手続にも適している遺言書を作成する必要があります。
せっかく、遺言者の想いを遺言書にしたためても、結局カタチにならないとなると、とても残念な結末です。
※この様な残念な結末を回避するためにも、プロである公証人にお手伝いをして頂く「公正証書遺言」はお勧めです。
ところで、上記の遺言書が登記で使用できないとすると、受贈者である山田大地への名義変更をすることは全くできないのでしょうか?
こちらについては次回にご案内したいと思います。