(以下の内容は、「きずなメール・プロジェクト採用担当者ブログ」から転載したものです)
20代後半30代にかけて現代詩をかなり読んだ時期がありました。
「詩」というとポエムな感じですが、そうではありません。いい詩は「認識の枠組み」を変えてくれます。読む前と読んだ後では、世界が少し異なって見えます。珍しい物を見て驚くより、見慣れた風景がそれまでとは違って見えるほうが、驚きは深いです。面白いです。
忘れていたこんな感覚を、久々に呼び起こされた詩があります。著者の許可を得て紹介します。子育ての詩です。直に作品に触れてもらいたいので、タイトルと作者名は末尾にしました。
いつかあなたも
母親に言えないことを
考えたり、したりするでしょうその時は思い出してください
あなたの母親も
子供には言えないことを
ずいぶんしました作ったばかりの離乳食をひっくり返されて
何もわからないあなたの細い腕を
思わず叩いたこともありました
あなたは驚いた目で私をみつめ
小さな手を
不安そうにもぞもぞさせていました夜中、泣きやまないあなたを
布団の上にほったらかして
ため息をつきながら
ながめていたこともありました
あなたはぬくもりを求め
いつまでも涙を流していました私は母親として 自分をはずかしいと思いました
だけど、苦しみにつぶされることはなかった
それは、小さなあなたが
私を愛し続けてくれたからですだからもしいつか
あなたが母親に言えないことを
考えたり、したりして
つらい思いをすることがあったら
思い出してくださいあなたに愛され続けて救われた私が
いつまでもあなたを
愛し続けていることを
「愛し続けていること」 詩・小野省子
(詩集「核家族ママ」より)
作者の小野省子さんは、ある歴史的なNPOの事務局長のご友人です。その事務局長の方がきずなメールのプレゼンを見て、友人である小野省子さんの詩集を贈って下さいました(感謝!)。読み始めたら、アタマをいきなりガツン!と殴られた感じで…おっと、感想は先入観を与えますね。上の詩を読んで何か感じた方は、ぜひこちら↓もお読み下さい。子育て中のお母さんお父さんは、ダマされたと思って、ぜひ一度目を通してもらえると嬉しいです。
「おかあさんどこ」小野省子さんの詩と解説
作者ウェブサイトも。
小野省子のホームページ
いただいたのはこの詩集です。
響くものがあったら、ぜひいろんなところでシェアしてくださると嬉しいです^^;(大島)