代表の大島です。本日も約3万人のアクティブユーザーの方に、今日の妊娠週数や生後日数に応じたきずなメールが届いています。

 

前回、きずなメールは単なるメルマガ、情報配信だけでは無いことをお伝えしました。さらに進んで、きずなメールが、乳幼児虐待予防に役立つ可能性について取り上げます。

 

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上の図は厚労省「子ども虐待対応の手引き /第11章 関係機関との連携の実際 図11-4」です。虐待の進行と予防の概念図で、上に行くほど対応の専門性・緊迫性が高まるため専門家の【対面支援】が必要となり、自治体にとっては人的コストがかかります。

 

そんな中きずなメールは、従来の人的コストに比べて低い費用で「1次予防」の範囲(オレンジ色の部分)をカバーできる可能性があります。これにより、貴重な専門家の力を2次予防、3次予防に集中することができます。

 

ある自治体では、

 

「庁内的にも、きずなメールは情報発信だけではなく、虐待防止策として有効だと説明しています。お礼のメールなどからもわかります」

 

という言葉をいただきました。僕はこれを乳幼児虐待予防のことと捉えています。

 

「予防効果」を実証するには、大量のデータを厳密に学術的な手続きで処理する必要があるので、並大抵ではありません。複数の専門家の力も必要です。でもその最初の一歩はすでに、プロボノの方々とある自治体の協力で始まっています。

 

 

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●きずなメールの乳幼児虐待予防のアプローチ

 

なぜコンテンツの発信が、乳幼児虐待予防につながるのか。僕はいくつか仮説を持っていますが、そのひとつが

 

【定量的】な情報を、【定性的】なメッセージとして届ける

 

というものです。

 

 

「定量的」とは根拠を数値で示せる、科学的の基本となる考え方です。「エビデンス・ベースト」(evidence-based)ともいいます。

「定性的」とは根拠を数値で示せない、「性質」の部分に着目することをいいます。「物語性」や「語り口」、「文学」に近い要素で、「ナラティブ」(narrative) ともいいます。

 

「ナラティブ」の例をふたつあげてみます。まずこれ。

 

A:生きる確率は50%だが、死ぬ確率も50%もある。

B:死ぬ確率は50%だが、生きる確率も50%もある。

 

定量的な情報としては両方とも「生存確率50%」と言っているに過ぎません。でも語順を変えるだけで、Bのほうが少し希望を持てるような、人間的な温かみが感じられます。

 

もうひとつ。例えば小学校低学年男子の一人称は、「オレ」「僕」「(自分の名前)」など、複数の選択肢があります。

 

「オレ、○○なんだぜ~!」だと少し背伸びしている感じ。

「僕、○○なんだよ~」だと素直な感じ。

 

と、受ける印象は異なります。英語ならどちらも「I」の1語ですが。(ちなみにこういう言葉選びをエクリチュール(※)といいます)

 

言葉の選び方には、僕らが思っている以上に、発話者の価値判断が含まれています。こうした言葉選びに意識を向けることが、「ナラティブ」です。

 

科学的な態度は必須です。でも人間の行動や感情は、簡単に数字に置き換えられない。人に何かを伝える時、どちらも欠かせない要素です。

 

きずなメールの情報の「エビデンス」、たとえば育児期のコンテンツである「子育てきずなメール」のエビデンスは、9人もの専門医の協力により担保されており、恐らく日本でもトップレベルです。ここにさらに、言葉選びに意識を向ける「ナラティブ」な工夫を重ねることで、読む人の不安解消やエンパワーメントなどの「行動変化」につながり、乳幼児虐待の予防に寄与できる可能性があります。

 

この試みはまだ日本で始まったばかりで、名前がありません。

 

でも現在の品質を維持して広がるなら、保健分野でいうところの「ポピュレーション・アプローチ」、IT技術を使った全く新しい形の「ポピュレーション・アプローチ」として発展できる可能性があります。

 

なお、最初に提示した「虐待対応の手引き」の図からは、予防の網は全ての子育て家庭にかけることが必要ということも浮かび上がってきます。

 

団体の活動に共感し応援して下さる皆さんとともに、きずなメールが、乳幼児虐待予防に役立つ可能性を追求していきたいと考えています。

 

 

※エクリチュール…社会的に規定された言葉の使い方。

参考 「エクリチュールについて」http://blog.tatsuru.com/2010/11/05_1132.php

 

 

 

 

 

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※コア・コンピタンス core competence とは「企業の中核となる強み」(wikipediaより)


代表の大島です。今日も賑やかな事務所です。本日も約3万人のアクティブユーザーに向けてきずなメールが配信されています。

きずなメール・プロジェクトは、スタッフは基本専業の「事業型NPO」であり、ソーシャル・ベンチャーです。業務は営業、制作、広報、バックオフィス業務など、中小企業と変わりはありません。

今回はきずなメールの事業のコア・コンピタンスについて説明します。何かを説明するとき、「何でないか」を述べると、特徴が明確になります。きずなメールでこれをやってみます。


●「メルマガ」ではない
僕はきずなメールを「メールマガジン」「メルマガ」と捉えたことはありません。「メール」というのはあくまで、今僕らにできるもっとも簡単でローコストな「届け方」であり、そのメールを使った読み物である「メルマガ」は単なるパッケージの名称であり、事業の中核=コア・コンピタンスは「コンテンツ」だからです。

とはいえ創業から1年くらいは、他に表す言葉がないため、迷いながら渋々使っていました(今も団体サイト内に「携帯メルマガ」という後が30くらい残っています)。2年目くらいからは、明確に避けるようになりました。きずなメールを活用している自治体が「メールマガジン」ということはありますが、自分たちからこの言葉を使うことはなく、説明するときは「メール」とか「メールサービス」などの言葉遣いになっています。

実際にきずなメールのコンテンツは、すでに他社のアプリやシステムで配信されています。また今期から、LINEやTwitterでも配信できるようになりました(一般公開はこれから)。下はきずなメールのコンテンツがどんな情報デバイスをカバーしているかを表したものです。
 


オレンジの部分がきずなメールのコンテンツが配信できる情報デバイスです。LINEとTwitterでの配信ができるようになったことで、一般的な情報端末はほぼすべて網羅できることになります。これにより、メールマガジンではなく、様々なデバイスで届けられる「コンテンツ」であることがわかると思います。

団体名の「きずなメール」は、語感がよいのと、「届ける」という意味を込めて「メール」を使っています(^^)


●「双方向」ではない
活動を始めた頃はよく、「双方向はできないのですか?」と尋ねられました。この場合の「双方向」とは、読者と継続的につながっているなら、質問や相談を受けたり、読者同士でつながる仕組みがあると良い、メールのようなITシステムを使っているなら簡単にできるのでは、ということのようです。

技術的には可能ですが、やりませんでした。読者に対しては「一方通行=読んでくれるだけでいいよ」でありたいためです。

「返信」や「相談」は、相手に働きかけるアクティブな行為です。相談するエネルギーや判断力があれば、最悪の事態になる可能性は低いともいえます。本当に辛い時は、他人に相談したり、人とつながる気力自体が乏しいのではないでしょうか。

きずなメールは、「ただつながり続ける」ために、読む人の負担を最小限にするように心掛けています。配信解除もいつでも一瞬でできます。だからこそ、一旦登録した人の9割以上が、配信解除せずに最後まで読んでいただいてると考えています。妊娠初期に登録したら、計500回以上受け取ってもらえます。




きずなメールは、システム的な「双方向」はやりませんが、提携する自治体の「相談窓口の電話番号」は積極的に入れるようにしています。つながり続ける中で、いざというときの相談先があることを知っていれば、気持ちは前向きなときは電話してくれるかもしれません。水を飲むかは本人次第ですが、水があるところにはいつでも案内できるようにしておく。こんな距離感を大事にしたいと思っています。


●「情報発信」だけではない
「情報発信」はあくまで機能のひとつ。下は自治体におけるきずなメールの事業構成を視覚化したものです。




①コンテンツがあって、
②それを届ける仕組みがあって
③この活動を通して、きずなメールを送る側も受け取る側も「励まされる」「勇気づけられる」


これらのひとまとまりがきずなメールの「活動」であり「事業」です。とくに③を大切にしています。きずなメールを事業として活用する人、届ける僕ら、関わる人すべてが、「孤育て予防」のミッションを目指して協力しあう仲間であり「ステークホルダー」。それは自治体や医療機関の人も同じで、現場の担当者が「きずなメール事業をやってよかった」と感じてもらえるような事業を目指しています。


●「課題解決型」ではない

「NPOは【課題解決型】と【価値提供型】に分けられます」

とは、あるNPOブランディングの専門家にお会いした時に教えていただいた視点です。

僕の解釈では、例えば「待機児童」をなくすことを目的に活動しているNPOは【課題解決型】です。目的を達成したら、そのNPOの役割は一旦収束します。どちらかというと、喫緊の社会課題に対応し、足りない部分を埋める、マイナスをゼロにしていくイメージ。

【価値提供型】は文字通り、社会に新しい価値を提供するNPO。新しいから、それが「何であるか」をいえる人は少ないのですが、現実の社会課題に対応している手応えはある。社会の潜在的ニーズに応えることで、すでにある状況にプラスオンしていく、ゼロをプラスにしていくイメージ。

きずなメールは【価値提供型】だと思っています。なぜなら、「この社会課題を解決したい!」というよりは、僕らが偶然出会ったアイデアを元に、妊娠や出産、育児を経験する女性男性を、励ましたり支えたりできないかという発想から始まった事業だからです。有名なドラッカーのフレームワークで説明すると、


 

①CAN=やれること →編集、ライティング
②WILL=やりたいこと →人を励ます・応援する事業で役立ちたい
③MUST=やるべきこと →広くは「子育て支援」、狭くは「孤育て予防」「乳幼児虐待の予防」


この3つの重なりの中で試行錯誤していくうちに形造られたのがきずなメールです。ソーシャル・ベンチャーを「ビジネスの手法で社会的課題に取り組む」と定義づけるなら、きずなメールの事業は、

コアビジネスの達成がそのまま受益者の増加につながる

という大きな特徴を持っていますが、これも「価値提供型」だからではないでしょうか。


* * *

きずなメールの事業のコア・コンピタンスは、

「原稿」=「テキストコンテンツ」

です。コンテンツは「複製」できるので、これがレバレッジになります。良質なコンテンツは、費用対効果が大きいのです。

わかりやすい例えは「マンガ」。「マンガ」は映画の10分の一の投資で、映画と同じ売上を上げるといわれます。日本の出版業界を支えている柱の一つであり、日本が世界に誇るコンテンツ産業です。

きずなメールは、このコンテンツのレバレッジを、より社会の役に立つために活かせないかと考えて形造られてきました。それは、「こうしたい」から始まって「こうできないか」と試行錯誤しているうちに、「こうなった」という類のものです。

ではきずなメールは「何であるのか」。これを自問すると、下のドラッカーの言葉が浮かびます。
 

「根本的な問題は、組織にとって最も重要な意味を持つ外のできごとが、多くの場合、定性的であり、定量化できないことにある。それらはまだ事実となっていない。事実とは誰かが分類し、レッテルを貼ったできごとのことである。」
(P・F・ドラッカー「プロフェッショナルの条件」(ダイヤモンド社)P75


僕はこれを「重要なことは、簡単に言葉や数値にならない。そうなった時では、すでに遅い」と受け止めていますが、どうなんでしょうか。ただ少なくとも、今団体に集まっているスタッフは、この答えを一緒に探せる同志です。そしてさらに、ここにJOINしてくれる方を男女問わずお待ちしています(^^)

例えば「本」は、ただ独り黙々と読むものですが、励まされたり支えられたりします。読んでいる間はその「本」とつながり続けています。読む前と後では、読むことで読者は変化しています。こういう存在として「きずなメール」が日本全国はもとより、世界に根付くことを目指しています。
 

常勤スタッフ募集のお知らせ
http://www.kizunamail.com/news/5190.html




 

 

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(今日の事務所。インフルエンザの影響でふたりお休み(T_T))

代表の大島です。現在は常勤スタッフを募集中ということで、団体内の「働き方」について考え方を書いてみます。僕らが理想とする働き方のひとつの表れが

「3:3:4」

の数字。仕事の時間配分は「作業3割,考える事3割,バッファ4割」を目指そうというものです。



 
ごく普通の「仕事」としてイメージする作業は、勤務時間全体の「3割」。会議や営業、書類作業などを含めての時間です。残り7割は、「考える事」と「バッファ」。これを、9時5時の定時の勤務時間内で実践することを目指しています。以下説明。



① 「作業3割」
「これから仕事はこう変わる」という話は多数ありますが、それなりに妥当性はあるのではないでしょうか。100年前は農作業や工場労働でしたが、今は知識労働が主流。20年前にインターネットがこんなに広がるとは誰も思っていなかったし、ロボットやAIが単純作業を代替するのはすでに始まっています。僕自身、10年前に今の仕事をしているとは想像できませんでした。


②「考える事3割」
今や「情報量は皆同じ」です。持っている情報が同じなら、創造性や思考など、人間にしかできないことが価値の源泉になります。

人間にとって「考える」という行為は、かなり大変な作業です。「考える」には時間と体力が必要です。だから意識していないと、簡単に思考停止します。本やメディアなど外から得た情報を自分の考えだと思いこむくらいならまだしも、基本的には「見たいものしか見ない、聞きたいことしか聞かない」のが人間です。僕自身がまさにそうなので、自戒する日々です。

集中できる時間を作って、真剣に丁寧に「考える」ということをやると、簡単に人に言えないような、驚くような結論にいたるときがあります。それを、馬鹿げていると簡単に手放さずに考え続けたり、ときに信頼できる人々(スタッフやプロボノの方など)にぶつけてみることが、新しい価値の創出につながるという実感があります。実際にきずなメールは、とにかく考えてはそれを小さく試すことの繰り返しで活動を広げてきました。

③ 「バッファ4割」
「バッファ」は「余力」「溜め」とも言い換えられます。つねに4割の「溜め」を残しておいて、いざという時の備えにするためです。

なぜこれが必要か。理由のひとつが、「子どもはすぐ発熱するから」。僕自身のリアルな経験から来るものです。

きずなメール創業時は夫婦二人、子どもを保育園に預け、自宅での共働き。子どもが熱を出しと保育園には預けられず家で面倒を見るので、作業時間が一気に減ります。とりわけ下の男の子は小児科通いの常連だったので、「コホン」という軽い咳を聞いただけでで、心配とともに「ああ仕事が止まるな…」とナーバスになっていました。

乳幼児のいる家庭は、程度の差こそあれどこでも同じ。小さい発熱を繰り返すことで、病気への耐性をつけていくんですね。なので「乳幼児は発熱する」(とくに冬)という前提で、仕事を組み立てる必要があります。

今のスタッフは全員子育て真っ只中なので、例えば通常4日で済む仕事なら、5日として見積もり、そのうち1日は「バッファ」として考えます。子どもの発熱を、予め仕事に織り込んでおくのです。もちろん4割ものバッファは簡単には作れませんが、作ろうという意識が大事です。

実際に昨年末、スタッフは親子で入れ替わり立ち替わり発熱や胃腸炎を発症し、休んだり在宅勤務になっていましたが、皆の頑張りもあって、業務に大きな問題は生じませんでした。もともと皆生産性が高いことに加え、日頃から「バッファ」を意識して業務を組み立てているからともいえます。

「発熱」だけではなく、今の仕事は例えばリーガル、コンプライアンス、セキュリティなど、かつてはそれほどでもなかった、いろんなことを「守る」のコストがどんどん増えている実感があります。反面、「作ったり獲得したり」など「攻める」という要素はどんどん減っています。仕事そのものに「定型」がなくなってきているようです。

実際にはまだ「作業6:考えること事2:バッファ2」くらいでしょうか。それでも、目指すことが大事だと思っています。


* * *


生産性を向上させれば、ワークライフバランスを実現できるという考え方があります。逆にワークライフバランスが企業の生産性を向上させるというのもあります。僕はどちらも懐疑的です。

なぜなら、産業革命以来の「生産性の向上」という考え方が行き詰まったために、その揺り戻しとして「ワークライフバランス」という考え方が現れたように見えるからです。原因が「生産性の向上」なのに、それを「生産性の向上」では解決できない。

ワークライフバランスを実現するには、「ワーク」と「ライフ」そのもの有り様を変える外ありません。ここから先は様々な答えの出し方があると思いますが、アクションとしては「仕事とは何か」「働くとは何か」から始まり「クォリティオブライフ」を問い直す作業になるはずです。その第一歩として「長時間労働しないと社会に価値を提供できない」という思い込みを、まず自分たちから止めていきたいのです。

ありがたいことに僕らは、周りの人々のお陰で、こうした理想に挑戦できる環境にあります。ならば目指さない理由はないです。

自宅であっても保育園・幼稚園であっても、地域で共同で助け合いながら子育てして働くことは普通であり、発熱したら休んだり、場合によっては在宅で仕事をするという選択肢があるのは普通であり、9時に出勤して5時に退社しても社会に価値を提供できるのは普通である。僕らの社会が真に豊かなら、やれるはずです。すでに少しはやれていると思っています。

一緒に挑戦したいと思ってくれる方を、お待ちしています(^^)

スッタフ募集のお知らせ
http://www.kizunamail.com/news/5190.html


追伸
うちはもちろん「兼業」も可です。すでに事務局長が週1で実践しています。


 


 
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photo by Andrew Crump "Spice Bazaar" https://flic.kr/p/FX5J7


代表の大島です。今年もよろしく願いいたしますm(_ _)m

 

「団体として、目指す社会の姿とは?」

 

年末のミーティングの中で、一人のスタッフからこういう投げかけがありました。皆さんは「自分が理想と思う社会の姿は?」と聞かれて即答できるでしょうか。

 

うちのような活動をしている事業体において、目指す社会の姿とはすなわち「Vision」だと思います。団体としての「Vision」は、

 

新しい命の誕生に対し、社会全体からおめでとうの言葉があふれる世界

 

そしてこれを、日本というローカルでの「MI ssion」に落とし込んだのが

 

「孤育て予防」。

 

活動として事業として、常にこの「Vision」「Mission」に立ち返るようにしています。

 

ただ「Vision」「Mission」は、どうしても抽象的なビッグワードになりがちです。スタッフが言いたかったのは、もっと具体的な個々のイメージのだと思います。僕の場合はどうだろうか。考えてみました。以下、あくまで個人的なイメージの話です。

 

・・・言葉にすると、とにかく人が行き交い、交流する感じ。多様な人が集まって、モノやお金だけなく、言葉や感情や考え、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、あらゆるものを交換する。これを視覚で表すために入れた検索ワードが「bazaar」(バザール)、要は市場(いちば)です。それが冒頭の写真。なんだか音が聞こえる感じがしませんか? 人々が行き交う雑踏の音、話し声、小銭がぶつかる音・・・。

 

さらに浮かんできたのが、これらの絵です。

ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場」

ラファエロ「アテナイの学堂」

(※リンク先で絵の検索結果が見れます)

 

 

とぢらも、その歴史的背景はさておき、人が活発に交流している絵。やはりいろんな音が聞こえてきそうです。会話、息遣い、ダンスの音楽…。

 

とにかく、「交換」したり「交流」したり。僕の目指す社会のイメージは、オーソドックスです。

 

引きこもったり孤立していては、「交換」や「交流」はできません。交換したり交流したりするためには、外に出てきて、他に働きかけようという前向きな力が必要です。

 

交換・交流を促進するためのアプローチとして、「場」を作ったり「コミュニティ」を作ったり、その「道具」(スマホとか)を作ったり、「方法」を伝授したり・・・いろいろあると思います。そんな中で「きずなメールは」、自分たちができること、すなわち「コンテンツを作って届けること」で孤立を防ぎ、人間が本来持っている前向きな力を支えられないか、ということを考えて形作られてきた活動といえそうです。


改めて、「視覚化」「見える化」は大切ですね。今年は自分たちの活動のアウトプットして「視覚化」「見える化」に意識を向けていきたいと思っています。(大島)

 

 

(注意)写真はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのものを使用しています。
https://creativecommons.jp/licenses/

 

 

 

 

 

 

こんにちは。松本です。

 

さて、この秋から私は白井千晶研究室主催の連続セミナーに参加しています。

10月に行われた第1回講座のテーマは、

 「10代の妊娠・出産の現状と必要な支援」でした。

 

講師は、大阪府立大学地域保健学域准教授の大川聡子先生。

『10代の母というライフスタイルー出産を選択した社会的経験に着目して』

(晃洋書房、2016年)という著作をお持ちの先生です。

 

今回の講座では、若年(10代)の出産数や出産に至る背景、

若年母親への必要な施策などをお話しいただきました。

以下は私が印象に残ったこと、忘備メモです。

 

=====

・現在、日本の年間出生数は約100万人。

 うち、10代女性の出産は、約1万4000人(2014年)。

★つまり、総年間出生数の約1%が、10代女性の出産。

 

ちなみに、いま大川先生が住み、仕事している大阪府は、

10代女性の出産総数が多く、全国1位で約1100人。

★つまり、10代女性の出産の10%が大阪府。

(10代の出生率でみると、1位沖縄県、 2位和歌山県、3位福島県となっています。2014年)

 

・生まれてくる子供からみて「父親・祖父母」から受けられるサポートの差が大きく、

 サポートがないと、子育てが苦しい環境におかれてしまう。

 

・周りのママたちの多くは年上。関係を気づきにくい。

 

・周囲から偏見を受けやすい。

 

=====

日本の人口はいま1億2000万人台ですので、

おおざっぱな括り方をすると、

人口の1%が妊婦さん。そして、そのまた1%が10代妊婦さん。

 

数字だけで見るとわずかな割合となりますが、

10代で出産する人たちが経済的不安定さやパートナーの不在、家族その疎遠

といった社会的リスクを抱えていることも多いことも多いです。

10代でも20代でも30代でも40代でも、

新しい命を「おめでとう!」と迎え入れられるためにまわりの温かい支援は

大切だなと思います。

 

また、経済的不安定、パートナーの不在、家族との疎遠といった問題は、

けっして若年層に限った話ではないわけで、

多くの人が「妊娠した」とわかったとき、

「うれしい気持ち」だけではないということを意識していきたいと

あらためて感じました。

 

また、この会では、白井先生より、アメリカにある「出産後の女性を対象にした高校」

の話も聞くことができました。「教育を受けること」は、生活基盤を強化すること、

自立につながるということで、託児、保育つきで学べる高校があるのです。

 

いま日本の現状でも、10代で出産すると学びの機会を失ってしまう、ということが

ひとつの課題としてあります。

 

いつでも学びなおせる、チャレンジできる、こんな環境を整えることも、

安心して子どもを授かり、育てていくことにつながるのですね。

 

(松本)