こんばんは。今村光一です。


 紅葉が綺麗な季節となり、街道を走ると秋本番の到来を感じます。

 今日は、郡上鮎を炭で焼いて、皆さんと一緒に頂きました。


 庭木の剪定や、掃除をしていると、身体も温かくなり、食事も美味しく頂くことができました。


浄土真宗親鸞会 こうたろうのブログ

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◇「ああ、夢だったのか……」

  ~「一炊の夢」に秘められた、幸福へのヒント~(7)


「ああ、俺は死んだか……」

 盧生は、大きなあくびをして目を覚ました。


 名家の娘と結婚するところから、国家の元老として勅使を迎えて死ぬまで、五十年の間の夢を見ていたのである。


 五十年といえば、気の遠くなるような長い歳月のはずだ。

 それなのに、どうであろうか。

 茶店の主が炊いていた黍飯(きびめし)は、まだ、できていなかったのである。


 盧生は、がばっと身を起こして、

「ああ、夢だったのか……」

 とつぶやいた。まるで自分に言い聞かせるように。


 老人は、笑いながら言った。

「人生の楽しみも、こんなもんだよ」


 盧生は、「名誉と恥辱、富貴と困窮、成功と失敗の道理が、よく分かりました」 と、深々とおじぎをして、茶店を出ていった。


 これは、唐の時代に書かれた『枕中記(ちんちゅうき)』のあらましである。

 物語は、ここで終わっている。

「だから、こうすべき」と、結論は示されていない。


 さて、あなたが盧生ならば、このあと、どんな人生を選ぶだろうか。


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(参考文献)

・歎異抄をひらく

 (高森顕徹先生著・浄土真宗親鸞会 会長)」
・光に向かって100の花束
・なぜ生きる
・まっすぐな生き方

 こんばんは。今村光一です。


 室内気温がとうとう、10度をきりました。(>_<)

 朝の着替えのときなど、やはり、ストーブが欲しくなります。

 もう少しやせ我慢をしてみますが、10月の中旬を過ぎると、耐えられなくなるかもしれません。


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◇「ああ、夢だったのか……」

  ~「一炊の夢」に秘められた、幸福へのヒント~(6)


▼皇帝が、盧生の冤罪に気づいたのは、数年の後である。

 その間、じっと言行を慎んでいた盧生は、これまで以上に信任され、再び、宰相の座に返り咲くことができた。


 政界に重きをなすこと五十余年。

 まさに栄耀栄華を極めたといえる。

 八十歳を超えた盧生は、肉体の衰えを感じていた。


 寄る年波には勝てない。

 何度も辞職願を出したが許されなかった。

 病気になると、見舞客が、引きも切らずやってきた。

 名医が来診し、高価な良薬が惜しげもなく使われる。


 亡くなる前に、盧生は、皇帝へ書を送った。

「内外に奔走しているうちに、またたく間に月日が流れていきました。

 身に過ぎた位を賜った私は、かえって皇帝陛下にご迷惑をおかけするのではないかと、薄氷を踏むような思いで、任務に全力を尽くしてまいりました。

 しかし、もはや病は重く、気力も衰え、死を待つばかりでございます。

 ご恩にお応えすることができず、誠に申し訳ございません」


 皇帝は、励ましの言葉を添えて、見舞いの勅使を派遣したが、その日の夕方、盧生は死んだ。


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(参考文献)

・歎異抄をひらく

 (高森顕徹先生著・浄土真宗親鸞会 会長)」
・光に向かって100の花束
・なぜ生きる
・まっすぐな生き方