凪沙は恐る恐るドアを解除する
なんや わからへんけど
みーちゃん 怒っとる?恐いねんな~
勢いよくドアが開かれる

……
二人とも少しの間 お互いを見つめる



みさきはドアを開けたものの
そこにいたのは 凪沙だった
しかも バスローブ1枚羽織ってはいたものの そこから覗く白い肌は 水疱瘡か?
と思うほど 紅い跡がつけられていた
気だるそうな凪沙はまた 壮絶な色気を放つ
先に口を開いたのはみさきだった

みさき「承志さんは…?」
凪沙「今 コンビニ行っとる まー入り~や 」
みさき「また あした出直してきます 11時頃来ますので 承志さんに伝えとってくれますか?」
凪沙「うん ええ けど…みーちゃん東京から 承志に会いに来たん?」
みさき「今 説得せーへんと 取り返しつかないし 後で後悔したくないから」
凪沙「説得?何の?」
みさき「聞いてないんですか?昇進の話」
凪沙「聞いたで でも東京には行かへんって」
みさき「一度けったら もうずっと昇進の話なんてこないんですよ  背中を押してあげるのが 恋人である凪沙君の役目なんやないですか?」
凪沙「うん わかってるけど~」
みさき「本当にわかってるんですか?」
凪沙「今の時間も大切やから…」

バン❗!

狭い玄関の備え付けの下駄箱の扉に
背中を押さえつけられた

……ん?これ壁ドン言うんやないか?
でも 俺の方が身長高いから ちゃうかな?
顔が間近で…みーちゃん 可愛いな~
なんか 柔らかそうな唇やな?


みさき「…だから……聞いてます?」
凪沙「ごめん 聞いてへんかった」
みさきの目が更に鋭くなる
だが 動じない凪沙に大きなため息をつく
凪沙「ごめん…仕事の事はようわからんけど 俺 承志の事が好きやから 承志が東京行く言うんやったら 応援するし…そんなんやだめなんかな?」
みさきは何も答えなかった
凪沙「みーちゃん 近い…」
みさきの鋭い目で見つめられて 殴られる?って思った瞬間
人差し指の爪の先で凪沙の左首筋から
はだけているバスローブの隙間を
一直線にすーっと 撫で下ろした
凪沙「あっ…」
体に電流が走ったように 敏感になっている
体は反応した

すっと凪沙から離れると
みさき「明日また来ます」
ペコリとお辞儀して出ていった

凪沙「何?」
体の力が抜けて 床にしゃがみこむ










承志はコンビニで買い物をしていた
お弁当を悩んでいた
凪沙が喜ぶのを考えると 自然に顔が綻ぶ
なんやろ ただコンビニで弁当買ってるだけやのに あいつと居るとたのしい
幸せを感じる 
二人で来たら もっと楽しかったんに…
まー やり過ぎたからな~
凪沙のエロい顔を思い出して ヤバくなる

サラダは袋入りのカット野菜にツナ缶を買う
家の時はこの方が いっぱい野菜とれる~なー
ちょっと手を加えただけで あいつ大袈裟に喜ぶからな~
お弁当を温めてもらい コンビニを出る
ん?みさき?
みなれた背中が 小さく見える
走れば追い付く距離や
でも ちゃうよな こんなとこに居るわけないもんな
そう思いそのままマンションに向かった

部屋につき鍵を開ける?
ん?俺…鍵閉め忘れたか?
ドアを開ける
承志「!」
そこには 凪沙がぐったりとしたように座っていた
承志は凪沙に近付いて 肩を掴む
承志「凪沙?どしたん?」
凪沙「承志…」
凪沙の焦点がやっとあう
いきなり承志の首に抱きつく
承志「凪沙?」
しっかり抱きしめる
凪沙「俺…承志の近くに居る資格ないんかな…」
承志「はぁ? お前 何言うてんねん 大丈夫か? だいたいなんでこんなとこ座ってんねん」
凪沙「さっきな みーちゃんが来てん」
承志「おん ええ!」
じゃあ さっき見たのはやはりそうだったんや
承志「で?何言われたん?」
凪沙「明日昼頃 来るから承志にそう伝えてくれって」
承志「誰が来ても俺の気持ちは変わらへんのにな  で 凪沙何か言われたんか?」
凪沙「…俺にも説得しろって」
承志「もう そんなんは俺が悩む事で凪沙は考えなくてええって」
凪沙「ほんまに?」
承志「おん 今の俺には凪沙以上に大切なものはないねん」
凪沙の頬を両手で優しく包み上に向けキスする
承志「お前 こんなかっこで開けたらあかんよ」
凪沙「みーちゃんやからええかなぁ?思った」
承志「あかん 喰われるで」
凪沙「どう見ても逆やのにな~ あっでも 壁ドンされた」
承志「ああ?で?」
凪沙「そんだけやで」
承志「どこか触られなかったか?」
凪沙「あっ お腹」
承志「ん?お腹?」
凪沙「うん ここ開いてたから すーって そしたらなんか力抜けた」
承志「もう お前はおれのや」
凪沙「うん」
承志「勝手に触らせんといてや!」
はだけたバスローブを更に開き じっと見る
微かに赤い一本の筋が見えた
その上を承志の舌が這う
凪沙「んっ…承志?」

俺以外の人が凪沙に触れるのが めっちゃ嫌や
誰にもどこも触れさせたくない

凪沙「承志…ここでやるんか?」
承志「もう! 凪沙無防備すぎ!」
凪沙「ええ!俺が悪いん?」
承志「おん」
ぎゅっと凪沙に抱きつく
承志「俺の」
凪沙「うん」

凪沙「承志…」
承志「ん?」
凪沙「こしょばい」
承志「ええやん もう少しこのまま居ってや」
凪沙「あかん こしょばいもん 承志…」
承志「なんやねん ええやん」
凪沙「腹減った」
承志「ご飯食べるか」
凪沙「うん」
承志「じゃあ その前にもっかいちゅうして」
ちゅう~ハート






二人はリビングで承志の買ってきたお弁当を食べた




続く