「アート」が入ったタイトルをつけている当ブログですが、最近はアートネタはほぼ掲載なし。
飲んだくれブログに化している訳ですが、たまには展覧会に関して。

こないだの連休は、東京都現代美術館で表題の「Cyber Arts Japan」展と「MOTアニュアル2010:装飾」、上野の森美術館で「VOCA 新しい平面の作家たち」展を見に行ってきました。

それぞれの展覧会について、記事を分けてレビューを書きます。
当記事では、とりあえず「Cyber Art Japan」展について。

率直に言うと、期待したなかった割りに予想外にかなり楽しめました。
それは、エンターテインメントと文化論としての両面において。

筑波大大学院システム情報工学研究科教授の岩田洋夫による空中浮遊を疑似体験できる作品は身体感覚の不安定さを改めて感じさせ、視点の広がりを気付かされるに十分なもの。

そして、真鍋大度による振動・超低周波を使用した作品はバカバカように見えるなかに、感情と身体の関係について考えさせられました。


全体の展示を見ていて感じたことは、現代のArtは否応でも最新のTechnologyに向かわなければならない、ということ。

もともとの「ART」は「技」から意を発しているのですから原点に戻ってきているのかもしれません。

「ART」がそもそもの意に沿った「技」に向かい合っているとするならば、その目指すべき終着点は「美」の深化よりむしろ、価値の「創造」や「開拓」に他ならないのかなと思うのです。

つまり、共感するかどうかは別にして、「芸術は美しくあるべき」という呪縛から離れざる得ないように感じています。

今回の展示会の内容が、その潮流について全て押さえているかというとそうではありませんが、エンターテインメント性をどの作品も感じさせてくれる要因として、幼少時代の技術に対する憧憬を作品に色濃く反映されているのではと思いました。


すごく楽しめた展覧会だけに、一昨日で展示が終わってしまい、紹介が遅くなって鑑賞の機会が既に無くなってしまったことは非常に残念です。


というか、最終日にようやく見に行った自分がどうかしてるということですかね。



「Cyber Arts Japan」展
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/cyberarts/ja/news.htm