日本周辺の国防情勢がめまぐるしい。「こんなにも激しくていいのだろうか?」と思ってしまうほどだ(゚Д゚)

 もはや「平和ボケ」は許されない時代なのか、日本も。

 僕は、好戦的な人間ではないし、やたらと脅威を煽るのを、ふさわしい行動とは思っていない。軍拡にも改憲にも慎重派だ。

「外交と軍事は同一のものだ」と言って強硬論を張る人は多いが、僕はまさしく「同一」と受け入れつつも、「だからこそ外交を表に立たせて軍事を回避せよ」と言いたい(-ω-)


 まぁ、こんな人間でも、「脅威から目をそむける」のは、大間違いだと思っているので、僕なりに国防なんかを考えちゃうワケである(・ω・)


 さて、つい最近「中国の脅威」的な記事を書いたばかりだ。

『【対中国】国防に必死な民主政権』 7/22

http://ameblo.jp/kitanotabito/entry-10597608455.html


 僕は最近は「中台戦争は確率が低い」そして「日中が全面戦争になるとは思えない」とは考えるが・・・

 限定的な意味で、中国が脅威である事には変わらず、またその脅威は増加傾向と言えると思う。



【北朝鮮・待ったなし】


 さて、極東アジア地域の「不安定情勢」を考察してみよう。

 実際にはロシアも含めたいのだが、ロシアは広範かつ複雑になるうえ、日本に直で脅威になるとは思えないので、今回は割愛する。


 なんといっても、最大の火種は「北朝鮮」であろう。

 北朝鮮は非常に強硬なうえ、あちこちを標的に据えている。

 韓国はもちろんだし、核ミサイルはアメリカ本土をも巻き込もうとしている(むしろ日本はあまり眼中にないのではないか)。

 ヘロインや偽ドル札を密造し、世界に撒いている疑いがあるうえ、最近ではミャンマーに核兵器技術を提供している疑いが濃厚だ。


 ミャンマーとは、スー・チーさんの軟禁で有名な「軍事独裁国家」であり、日本にも大量の難民が押し寄せる、「ASEANの頭痛のタネ」である。

 こんな国に核兵器が渡ってしまっては、アジアの不安定度は急速に増加するだろう。


 くわえて、北朝鮮が韓国艇を撃沈した事件もある。

 これは「アメリカに仕組まれた捏造事件」という見方もあるが、それはどっちでもかまわない。もしアメリカが仕掛けたとしたら、それはアメリカが「北朝鮮はもう少しもほっとけないぞ」と認識したという事であり、結局のところ紛争が近い事を意味するからだ。



【中国の視線はアメリカに向いている】


 現在の米韓は、たび重なる軍事演習で、北朝鮮を威圧している。

 しかし、これに「待った」をかけているのが、中国である。


 あの韓国艇沈没以降、一貫して「慎重な対応」を求める中国。

 さて、そもそもなぜ中国は、北朝鮮を擁護するのか・・・?

 それは、「同じ共産国家」というイデオロギーのため、とだけ考えるのはちょっと違うと思う。両国とも、そんな政治的理念はとっくに自殺しているからだ。

 むしろ北朝鮮は「米韓からの防御壁」として位置づけられる。一種の身代わりだ


 中国にとっての脅威、というか目の敵は、むしろアメリカである。

 アメリカは中国から見ると、非常に傲慢な存在だ。

 台湾問題やチベット問題、人権問題という「内政」に、堂々と干渉し、さらに中国近海に空母を送りこんで威圧するのである。

 さらに、韓国と日本に米軍基地を有し、中国をギンギン睨みつけているのだ(゚Д゚)

 ・・・・仮に中国が、サンフランシスコやニューヨークに空母を送り込んだら、大騒ぎになるであろう。カナダやメキシコに中国基地を置いたって同様だ。つまり中国にとり、アメリカの外交姿勢は「あまりに一方的」なのだ。

(日本がアメリカのジャイアニズムをあまり気にしないのは、精神的に隷従しているから、という面は、やっぱあるんだろうね)


 アメリカは、中国には一方的に「喉元にナイフ」をちらつかせておきながら、その逆は絶対に許さない。

 また、どれだけ経済的に成長しても、いまだに中国は「二流国」として欧米から見られている。これは国家の尊厳にかかわることで、そんな抑圧的な心理が軍事力増強をおこなわせている、という説もある。



【韓国に歩み寄る日本政府】


 中国にとり、米韓が北朝鮮という「緩衝地帯」を奪う事は、包囲網の大幅な狭まりを意味する。

 すでに「お荷物国家」の北朝鮮だが、それでも「かばわざるを得ない」のは、そうした危機感があるからだと思う。


 そこで、米韓が繰り返す「対・北朝鮮演習」に、何度も抗議をし、さらに対抗するように中国もミサイル演習などを繰り返している。

 今、朝鮮半島の周辺では、大規模な実弾演習が次々と繰り広げられているのである(゚Д゚)


 さて、日本もアメリカやオーストラリアとともに、対中&対朝の演習はおこなってきた。

 ところが、つい最近、さらに画期的な演習がおこなわれた。

 なんと、米韓の軍事演習に、自衛隊が参加したのである


 参加といって、海上自衛隊幹部4名が、オブザーバー(見学)として米艦に乗り込んだだけ(7/25)。

 それでも、これによって示される「態度」は大きい。

 現に、北朝鮮は猛反発し、「日米韓の三国同盟が存在していることを証明した」などと報じた。


 さらに、「防衛白書延期問題」もある。

『防衛白書延期 禍根残す政府の事無かれ主義』 読売 7/29

http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20100728-567-OYT1T01133.html



【反論から見てみよう】


 米韓の、北朝鮮相手の演習に、そもそもなぜ日本が参加するのか?

 という批判は多い。日本は無関係の紛争だから、首を突っ込んでなんの得があるのか?ということだ。


 また、防衛白書問題も、読売の記事の他にも、批判的意見が多い。

「竹島問題を後退させるな」

「菅政権は韓国の言いなりか」

 などなど・・・



【しかし僕は賛成である】


 だが、僕の外交観からみると、これらの行動は「正しい」のである。

 仮に、朝韓中米あたりで、紛争が勃発したと仮定する。それを日本は「対岸の火事」として不干渉を貫くとする。

 一見、この判断は、平和国家として正しい。できれば僕もそうしたい。

 だが、率直に言ってこの紛争は、巻き込まれる事必至である。アメリカを完全に突き放すわけにはいかず、協力する以上、後方支援であっても攻撃対象にされるだろうから。

 在日米軍基地からアメリカが出撃する以上、そこは攻撃対象にされる。それでも日本が「中立・傍観」など維持できるとは思えない。


 では、どうすればいいか??


 簡単な事だ、「最初から戦争を起こさせない」事である。

 そもそも、全ての国家にとり戦争(他国の侵略)を防ぐために、軍事力は存在するのである(建前上は)。だから、そのように運用することこそ、正しい軍事力の行使と言える。

 それには、日本の存在そのものを「アジア地域へのくさび・抑止力」としてアピールするしかない。


「軍事力のアピール」とは、「軍事的挑発」に限りなく近くなり、それはむしろ「戦争のきっかけ」になる・・・というのが、世の常だ。

 だが、「同盟・協力」をアピールする分には、そうしたリスクもなく、そして効果的だと思う。


 ごく近い将来、「第二の朝鮮戦争」は起こりうる。その時、中国が北朝鮮に介入すれば、あの泥沼の再来となるだろう。

 中国を介入させないためには、「北朝鮮を完全包囲」して、参入できないようにするのだ。そのためには日米韓の緊密な連携が有効になる。


 韓国を嫌う日本人は多い。だが、好き嫌いで国防はできない


 防衛白書にせよ、領土問題に関しては相変わらず「我が国の領土だ」としているため、スジは通している。

 しかし一方で、「1000万円近いムダを出してまで発表を延期」し、「哨戒艇沈没問題を急きょ盛り込み」、しかもそれが「菅総理の判断」で行われた、としたのだ。

 これは韓国への「やむをえぬ譲歩」などではない、むしろ「積極的な協力姿勢」と言えはしないか。そしてそれは、「弱腰外交」ではなく「積極外交」であり、相手に確実に恩を売った事になる(これがコソコソ延期しただけなら、弱腰と取られるだけで終わっただろう)。


 民主政権の「意外に強気な対中姿勢」や「韓国との緊密な連携」が、もし明確な国防ビジョンによっておこなわれているとするならば、これを歓迎したい。


 北朝鮮への完全なる包囲は、やがて中国への包囲にも繋がる。あるいは中国は北朝鮮を見放し、「アジアの協力的な一員」にならざるを得なくなる。



【少なくとも、隷中政権ではなさそうだ】


 さて、ここまでの意見は、あくまで僕が「親韓派」であればこその、好意的意見である。

 日本には、そんなに軍事的余力はない。好き嫌いを飲みこんででも、どこかとは手を組まなければならないのであり、その場合は韓国が現実的だ、というのが僕の姿勢だ。


 まぁ、それに賛同してくれなくとも、かまわない。

 しかし、「韓国への歩み寄り」は、僕にはとても「中国への隷従」には見えない。

 むしろ中国への対抗策をこそ、民主政権は打ち出しているように思う


 まぁ「特亜嫌い」の人間にとっては、従う相手が中国でも韓国でも、一様に不快に感じるかもしれないが・・・w

 繰り返すけど、感情で外交してるわけじゃないからね(・ω・)



【覚悟をきめといたほうがいいかも】


 まぁ、民主政権が成功であれ失敗であれ、何にせよ近いうちに日本に「有事」が起こる可能性は、現在急激に高まっていると思う。

 まこと、平和とは維持の難しいもので・・・(´Д`)


 冷静に、どうするべきか考えておくのも大事だろう。

 できれば、紛争を起こす事は避けたい。


 僕の理想は、

「北朝鮮の完全包囲→中国と金政権への譲歩を交えての、ピョンヤン無血開城→朝鮮南北融和→東アジア共同体での平和維持」

 ・・・なのだが。カギは、中国のメンツと立場を重んじつつ、しかしその牙を削ぐ事である。ぶっちゃければホメ殺して利用するのだww



ま、なんにせよ、外交ってのは難しいもんですなぁ・・・・

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今回のアンケートは『アジアで、軍事同盟を結ぶならどの相手がいい?

http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=44318

東アジア共同体、がいいんだけどね、抽象的だもんね(-ω-)