新滝に来るのはこの日で実に3回目だ。


 私にとっては「もうよく知った滝」である。


 しかし、「よく知った」からと言って、自分にとって「簡単になった」わけではない。


 今年、初めて新滝に上る若葉マークの隊員に「急坂でよく滑るから、滑ったら下で受け止めてあげるよ」などと軽口をたたきながら、私は、雪道を最後尾から上り始めた。


木曽路名水探検隊のブログ-参道1


 下で受け止めるどころか、心肺機能の違いを見せ付けられ、誰も見えないじゃないか…


 滝など浴びなくても、すでに行である。


 おーい。


木曽路名水探検隊のブログ-参道2


 新滝への参道は、雪で覆い尽くされ、ほとんど地面が見えない。道しるべ兼命綱であるロープが唯一の頼りである。


 昨年、この季節に来たときは、カメラマンやお年寄りが、みなさんアイゼンの付いた靴を履いていた。


 そうだよなぁ。学習してないじゃん。


 某通販で買った下駄ソールのウォーキングシューズでロープにつかまりながら、己の限界に挑戦すること10分。(そんなにはかかってないかw)


 見えた!


 これが今年の新滝だ。


木曽路名水探検隊のブログ-新滝


 夏に来ると、どこにいてもしぶきがかかるくらい、流量があるのだが、川自体が凍っているのか、流れは少ない。


 でも、横から見ると、清滝のようにサラサラではなく、しぶくしぶく。


木曽路名水探検隊のブログ-しぶく1


 そして、日の光を浴びて美しい。


 日の光に映えるのが新滝の特徴だ。


木曽路名水探検隊のブログ-しぶく2


 ただ、「裏見の滝」と呼ばれる新滝も、この時期は容易く裏から見ることはできない。


 そこはまさに「氷の世界」である。


木曽路名水探検隊のブログ-滝壺周辺


 滝つぼのあたりは鍾乳洞のようにがらんどうになっている。


 屋根が見えるが、ここにはお堂がある。


木曽路名水探検隊のブログ-お堂1


 これは神が宿るよなぁ。神秘的だもの。


 さらに奥のがらんどうの部分には、あちらこちらに像が祀られている。


 この滝には不動明王や弁財天が祀られているのだ。


 いや、私はお堂の前までで十分。


木曽路名水探検隊のブログ-お堂2


 よいしょっと…うわっ…あぶねぇ…すっ転びそうになった。


 お堂を抜けると、氷柱の後ろに出ることができる。


木曽路名水探検隊のブログ-氷の世界


 昨年、この場所でフジテレビ「とくダネ!」のお天気コーナーが全国中継された。


 天気の達人「アマタツ」こと天達武史さん(気象予報士)がここから全国にクイズを出したのだ。


 体調が悪く、休暇を取って家でテレビを見ていた私は、偶然にも生中継を見ることができた。


 ここまで中継機材を持ち込んだスタッフの苦労はいかばかりであったろう。


 じっと胸に手を当て…


 このままでは行者にはなれない、カメラマンにもなれない、ましてやテレビクルーにもなれない。


 苦行を積み、神様に自分を問う気持ちが少しわかった瞬間であった。(momo)


 【過去ログ】


 清滝、新滝 ~人々の信仰心に触れる場所~


 新滝 ~氷の砦へようこそ~