「木曽路はすべて山の中である」と描かれているように、山あいの木曽路は紅葉を愛でるのに絶好の地。深まり行く木曽路の秋を里にいてただ座視するのはもったいない...というわけで、こちらから紅葉スポットに出掛けてみることにしました。


 雨男のおかげで度々天候に災いされている今年の調査。この日も数日前の週間予報では雨マークを通り越して何と雪だるまの表示があるではありませんか。予報に曰く、この秋いちばんの冷え込みになると。ままよ、とばかり調査に挑む隊員たちでした。


 とはいえ、さすがに雪にこそなりませんでしたが、「この秋いちばんの冷え込み」というのは的中し、木曽福島の最低気温は-0.1℃。相当の覚悟で調査に向かった一行でしたが、幸い、天候には恵まれ、凛冽とした空気が景色に一層磨きを掛けたようです。

木曽路名水探検隊のブログ-奥木曽湖1


 この日最初の調査箇所は奥木曽湖。湖周辺の紅葉の写真はmuraさん が紹介していますが、個人的興味から、他の隊員の顰蹙を尻目に別の調査に勤しませていただきました。

木曽路名水探検隊のブログ-奥木曽湖3


 奥木曽湖の外周道路を「木曽川源流ふれあい館」の方から反時計回りに一周してみることに。紅葉にはまだ早かったのか、それとも樹種のせいか、なかなか好い撮影ポイントにたどり着きません。

木曽路名水探検隊のブログ-奥木曽湖2  木曽路名水探検隊のブログ-尾骨沢橋1


 あるカーブを曲がったときのこと。赤く色づいた木々の間から赤い鉄橋が垣間見えます。いわゆる「上路プラットトラス橋」というタイプの橋で、その名は「尾骨沢橋」。銘板によれば、「おこつざわばし」と読むとのこと。何となく不気味な名前です。

木曽路名水探検隊のブログ-尾骨沢橋2  木曽路名水探検隊のブログ-尾骨沢橋3


 さらに進むと、赤や黄色、緑の綾なす木々の間から、遠くに時折ちらりと赤い鉄橋が姿をのぞかせます。道は山ひだに沿って曲がりくねり、見え隠れしながらもその鉄橋は次第に近づいてきました。

木曽路名水探検隊のブログ-奥木曽大橋2  木曽路名水探検隊のブログ-奥木曽大橋3


 尾骨沢橋とは比べ物にならないくらい大きなアーチ橋で、遠くからは小さく見えた橋も、たもとからの眺めは壮観です。その名は「奥木曽大橋」。「上路ソリッドリブアーチ式」という構造でしょうか。曲線美の優雅な美しい橋だと感じたのは私だけでしょうか。周辺の景観に溶け込んでいて、不思議と違和感を感じさせません。

木曽路名水探検隊のブログ-奥木曽大橋4


 人工の構造物は自然とは相容れないと思いがちですが、端整に造られたものは風景にマッチすることもあるものだと感心しました。(aki

木曽路名水探検隊のブログ-奥木曽大橋1


(追記)対岸から眺めると、もう1つ橋が架かっているのが分かります。よくある「プレートガーダー橋」というタイプの橋で、奥木曽湖では構造の異なる3種類の橋を見ることができることになります。
木曽路名水探検隊のブログ-ガーダー橋遠景