「やまばと号」の調査をおおかた終えた隊員たちの身に振りかかる、次なる問題は「空腹」でした。


 この日は、当初、ひだみ での昼食を予定していたのですが、隊長の準備不行き届きにより予約ができなかったため、この時点までどこで食べるか決まっていませんでした。正午を回り、今から村の中心部に戻って食事場所を探すとなると結構な労力。それまで隊員たちのお腹が黙っていてくれるとは思えません。


 「やまばと号」が静態保存されているそば処「水交園」。ここで昼食にありつければ何の問題もないのですが、確か、入口の脇に「準備中」の札が掛かっていたはず...それでもダメもとと隊員の1人がお店の人に掛け合ってみると、あに図らんや快諾をいただけました。この日は地区の行事で貸切なのだそうですが、そばと焼き魚なら用意していただけるとのこと。半ばあきらめかけていたので、折角の申し出に一も二もなく飛び付く隊員たちでした。

木曽路名水探検隊のブログ-水交園


 施設と棟続きの屋根の下に幾つも並ぶテーブルの1つに陣取り、そばを待っていると、ぽつぽつと落ち始めた雨粒が次第に増えていきます。この日は雲が多く、晴れていれば御岳湖に山容を映すはずの御嶽山も厚い雲の中。それでも雨が落ちてこないのがせめてもの救いだったのですが、結局、雨に遭う羽目に。今年の探検は本当についていません。


 しばらくすると、待ち兼ねていたそばと焼き魚が配膳されてきました。そば粉は滝越の地粉を使っているとのこと。訪れた時期が早かったので、新そばというわけにはいきませんでしたが、二八そばにはそば特有の香りと甘さがありました。串焼きの岩魚は、テーブルの一角に作られた囲炉裏で先ほどご主人が焼いていたもの。塩加減といい焼き加減といい絶品でした。

木曽路名水探検隊のブログ-ざるそば  木曽路名水探検隊のブログ-岩魚の串焼き


 雨が降り出す前、何気なく庭先を眺めていると、1歳を過ぎたころかと思われる男の子の姿が目に入りました。庭の芝生にちょこんと座り込んで一人遊びをしている様子。ほかの客との会話から察するところ、ここの子なのでしょう。芝生の上で無邪気に戯れている姿がとても愛らしく、この子はきっとたくましく育つのだろうなぁといささか羨ましく思える光景でした。


 「水交園」は、村に冬が訪れる前の文化の日までの営業で、水ぬるむ春4月の下旬まで、冬ごもりに入ります。(営業日が変則的ですので、詳しくはこちら をご覧ください。)(aki


木曽路名水探検隊のブログ-遊具

(遊具もあります。)