千畳岩を通り過ぎてしばらくすると、森林鉄道の鉄橋が見えてくる。

木曽路名水探検隊のブログ-鉄橋

 かつて阿寺渓谷には、山中で伐木された木材を運搬する森林鉄道があったが、トラック輸送されるようになり、その役目を終えた。

 阿寺渓谷の入口には林鉄記念碑があり、「六十余年の輝かしい歴史を有する森林鉄道との訣別、感無量」と記されている。

木曽路名水探検隊のブログ-記念碑

 この鉄橋、木材を運んでいた、というにはいささか簡単な造りに見えるが、現在も自由に渡れるようになっており、阿寺川の涼しげな風景を楽しむために、一役買っている。

 ここで阿寺川の川面に目を転じると、石の表面に木べらでえぐったような跡があるのがわかる。

木曽路名水探検隊のブログ-おうけつ

 これは、水の流れに小石が回転して作った甌穴(おうけつ)と呼ばれるもの。

 そして、鉄橋の下に見られる大石(田石)には、無数の甌穴を見ることができる。

木曽路名水探検隊のブログ-大石

 アイスクリームを木のスプーンですくったような、というのが私の感想。

 想像力がたくましいと、いろんな意味で涼しげである(笑)

 そして、鉄橋を過ぎると、危うく見過ごしてしまいそうなスポットが…。

 阿寺川右岸の遠くの山肌にぽっかりと浮かぶ岩肌の中心を滝が流れている。

 雨現の滝だ。

木曽路名水探検隊のブログ-雨現の滝遠景 木曽路名水探検隊のブログ-雨現の滝ズーム

 前回来たときは全く気がつかなかったこの滝、その名のとおり、雨が降ったときに現れるそうである。

 絵づらからして、人の手によるものではないかと思わせるような造作だが、とても近づけるような場所ではない。

 拝みたくなるような珍しい光景である。(momo)