以前、名水トリビアでご紹介した伊東 淳(すなお)氏。

 大正から昭和にかけて木曽福島町長であった伊東 淳氏は、それまであまり知られていなかった「なかのりさん節」を「木曽節」として世に出し、木曽節は、日本全国に知られる民謡となりました。

 彼は、小冊子を発表したり、東京、名古屋などで発表会を行い、宣伝隊を出すなどの宣伝に努め、「なかのりさん町長」と呼ばれていました。

 その斬新な発想に惹かれた私は、駅前に伊東氏の像がある、という資料を頼りに、木曽福島駅の周辺を探してみたのですが、今まで、その姿を見ることはできませんでした。

 4月2日、木曽町内で異動した私は、あいさつ回りの最中、偶然にもその姿を見ることに。

木曽路名水探検隊のブログ-伊東淳像

 伊東氏の像は、福島小学校の校庭、それも道路からすぐのところにたたずんでいました。
 木曽福島駅前から移設されたのでしょうか。

 おそらく、木曽節に合わせて木曽おどりを踊られているのでしょう。

 校庭で悠然と踊る姿は、斬新な発想で木曽を全国に発信した偉人のお人柄をも表しているように感じられます。(momo)

<中乗さんと言えば…>

 ここで復習。

 トリビアで取り上げたのは、この伊東氏が名酒の名付け親であるということでした。

 名酒「中乗さん」の蔵元「中善酒造店」は、慶応元年(1865)の創業以来、「山桜」、「木曽の駒」という銘柄を出していましたが、酒造業を休業。大正13年10月に再開後、伊東氏の提案で改名したものです。

 中乗さんは、今や木曽を代表する銘柄のひとつとなっています。