木曽路名水探検隊のブログ-藪裏清水

 さて、木曽町の水場探検記録。続いては、親水公園から松本方面に歩いて数十秒。ヤボラ地区にある、「藪裏(やぶうら)清水公園」について報告します。

藪裏清水 地図

 一瞬この地区の名前を聞いて「ヤボラって何!?!?」と思いますが、「藪裏」がなまったもののようです。その藪裏とは、木曽の山村代官の家老であった千村家が、竹薮の裏に居を構えて「藪裏の千村様」と呼ばれていたことに由来しているとのこと。

 それがどうもこの千村様、湧き水とよほど縁があるのか、住居を移す度に、不思議とその場所から清水が湧いたとか
・・・千村様はその水場に水桶を作り、一段目は飲み水、二段目は野菜洗いに使えるよう町の人々に一部開放していたそうです。なんと気前のいい!

 この藪裏清水は、その当時の水桶の様子を最近復元したもののようです。
(現在は川から水を引いているため、飲用ではありませんでした)

 また近々、公園内に千村家の古民家を改装した、飲食店がオープンするそうです。外から見る事しかできませんでしたが、これがかなりいい雰囲気!!

 水桶の反対側には小川が流れており、その上に小さな木製の橋が架けられていました。なんでもそこのたて看板によれば、その名も「喜又橋」。清水の湧いた場所より流れる小川に架っていたものを復元したものとのこと。

木曽路名水探検隊のブログ-喜又橋

 「喜又」は千村家11代当主で、島崎藤村の実兄とともに私財を投売り、町のために山林の確保に努めた人だそうです。「喜又橋」はそんな喜又の人柄を慕って命名されたそうです。このたて看板には喜又さんの肖像も載っていました(なかなかいい男?)。

 私たちは、千村家の優しさと、それを慕い後世に伝えようとする地域の人びとの思いに触れ、次の水場に向かいました。(Kami)