「心理学をやっています」


というと,必ずと言っていいほど返ってくる言葉は



「じゃあ,人の気持ちとか読めちゃうんでしょう??」

って言葉。


ぜんっぜんそんなことはありません。

むしろ,人の気持ちを複雑にとらえすぎてしまうところがあるかもしれない。


私がいつも思っていることは,


「人の気持ちなんて他人が100%分かることはない」ってこと。


こんなことを言うと,すごく冷たく感じるかもしれないけど・・・・。


私のやっていた仕事は,子どもと面接をして,その子の性格やら,なぜ子どもが問題を起こしたのかということについて問題点とその分析をして,その子のためにどういううことをしてあげればいいかを指針として示すこと。


2~3回会っただけで,性格をとらえようとするので,そんな短い期間に 相手を100%分かった気になろうとするなんて,すごくおこがましいことなんです。


いつもいつも,そうやって自戒の気持ちを持ちながら仕事をしていないと,ついつい自分の都合のいいように,勝手に作り上げてしまう。


そんなのは,もう分析でもなんでもなく,ただのお話になってしまうから。


だから,自分でいつも「本当にそうなのか?」「私が感じているこの感覚は本当に合っているのか?」と疑問視しながら,ちょっとずつ確実にしていくのです。だからとても慎重。


私生活でもおんなじこと。


たとえばお姉ちゃんや友達から話をちょっと聞いたこととかなら,今までの経験でその人の気持ちを何となく推測して,「こうじゃないの」って言うこともできる。


でも,それはただの推測に過ぎないから,すごく無責任で身勝手。

私一人の勝手な意見なので,それがあっているかどうかなんて,確かめる術がない。


だから,ちょっと言ってしまった後には,後悔する。


自分へのエゴと,罪悪感で。




人との関係性は,相手の言葉とか,態度とかに表れてくるもので決まっていくもの。


それを実感させてくれたものが,私にとっての心理学です。