先日、埼玉県にある石坂産業株式会社さんに見学に行ってきました。
お世話になりっぱなしのB.Grove 宗像さん(元intel)と、LeapMind 松田さんと一緒に。
石坂産業さんは産業廃棄物を処理している会社さんです。産業廃棄物を扱っていますが、「美しい」が溢れる会社でした。
宗像さんのご紹介で私も連れて行っていただいたのですが、東武東上線 ふじみ野駅から車で10分ぐらい。送迎バスが出ています。運転手さんがとても元気&にこにこ気持ち良かったです。
産廃物を運ぶトラックが何台も出入りしている前にある本社ビル。入ってすぐにメダカが泳ぐとてもキレイな水槽があります。そして癒し効果のある音楽が流れていて、エレベーターの中はほわっとアロマの香りが。ディフューザーが置いてありました。
女性が社長なので、こういうところに女性らしさが出ているなぁと思って待ち合いスペースに行くと、これまた女性らしい看板。
石坂典子社長とお話しさせてもらいましたが、まず思ったことは「美人」。インターネット等で事前にお顔は拝見していましたが、実物の方がキレイ。
出されたお茶菓子がこれまた女性らしくてうっとり。
お花の落雁。
お茶飲みながらパクッと食べさせてもらいましたが、上品なお味でした。
いろいろと石坂産業さんの現状やこれからやっていきたい事、そして里山についてお聞きしたあとは典子社長によるご案内で見学させていただきました。贅沢。
まずは屋上から敷地内を見させていただいたのですが、広い!施設も大きいですが、その周りにある里山が広い。
里山というと、つい山沿いの棚田とかがあるところを里山と思いがちですが違います。私も勘違いしていましたが、里山とは都市と自然の間にあって、人が利用してきた(いる)森林をいいます。
里山です↓
石坂産業さんのすごいところは、まずはリサイクル率。なんと95%以上。
本社の前には日本庭園のような庭?がありますが、大きな岩は全て持ちこまれた(捨てられた)岩だそうです。立派な岩なのにもったいない。通常は粉々にしてしまうそうですが、こちらで再利用。
そして床の煉瓦のように敷き詰められているのは、瓦を砕いて再利用したものだそうです。
産廃処理場の見学というと、ヘルメットしてマスクするイメージですが全くその必要なし。見学コースがしっかり作られていて、ガラス張りのところから見ることができます。粉塵なし。
こちらはコンクリートを回収しています。
上から水が出てます。これは粉塵を抑えるため。
トラックが外に出て行くところでも、トラックのタイヤに毎回水がシャーっと自動でかけられます。こちらも粉塵が外(道路)に出て行かないよう配慮して、その水は雨水を貯めたものを使っているそうです。
とにかく限界まで仕分けします。コンクリート、土、鉄、木、その他・・・。
ある程度分けられた土はベルトコンベアにのせられて、今度は人が手で仕分けします。その様子も見れたのですが、なかなか細かい・・。土の中に埋もれたビニールや木や鉄のようなものを取り出す作業。
そんな中、私たちがじーっとみているのに気付いたら、マスクを外してぺこっと頭を下げて挨拶してくださる社員の方々。
運転手さんもだったし、本社で対応してくださった社員さんもだし、見学しながら会う人もみんな爽やかな挨拶してくださるし、社員教育が徹底されています。
各工程には、社員さんの紹介も。
そしてとっても感心したのが、見学コースのありとあらゆるところに、雑草ない。ゴミ一切ない。とにかくキレイ。美しい。
緑もたくさんあるのですが、それもとてもきれいに整備されています。
さらに。産廃処理しているところから見学は森の中へ。
公園のようなところで、新幹線(ミニトレイン)登場。甥っ子とか喜びそー。と思っていたら、私たちが乗りました(笑)
ここでも社員の方が案内してくださいます。
しゅっぱーつ。
いろんな草木が植えられています。
近くの保育園に通う子ども達でしょうか。森で遊んでいて、新幹線に乗る私たちを追いかけてきました。
ばいばーい。
この新幹線、太陽光で充電したエネルギーで動いてます。
産業廃棄物処理をしている会社さんの見学をしに来たことを忘れそうになります。
え。これ、全部石坂産業さんが整備してるの・・・?と思って典子社長にお聞きしたところ、全て石坂産業さんのお金で広大な森を整備&管理しているそうです。ええええええええええ。
東京ドーム4個分ですよ。里山。
枕木がキレイに敷かれてます。
草花が説明付で植えられています。
きれいな赤土の上を歩いて説明を受けましたが、ここでもゴミ全くなし。美しい。
三富今昔村と名付けられたこの一体。もう一度書くと、全て石坂産業さんが管理しています。
荒れ放題になってしまった里山には、一般の人が不法投棄をして近隣の迷惑になっていたそうです。たとえばタイヤが捨てられて放置されると、そこからボウフラが沸いて近隣の迷惑になったり。臭いがしたり。
石坂産業さんの敷地ではないけれど、石坂産業さんのせいになったりするもんだから、回収して処理していたそうです。でも、回収した翌日には不法投棄されたりといたちごっこ。そのため、地主さんに申し出て石坂産業さんが管理することにしたそうです。ここまできれいに整備していたら不法投棄なんてできないですよね。
典子社長から、この里山に対する想いもお聞きしましたが、これは石坂産業さんだけではなく行政や地域の人達も一体となってやっていかないといけないのではないかと思いました。
環境教育フィールドを作られているわけですが、近隣の小中学校だけではなくて、東京からも近いしみんな来たらいいのに。遠足でもいいし、昆虫探しでも写生でも植物の勉強なんでもできる。
里山を見学した後はまた素敵な施設に。くぬぎの森交流プラザ。
中、広い。
ここはいろんなワークショップ等もできるレストラン。
ランチをいただいたのですが、なんと。こちらで出される野菜は敷地内にある石坂ファームで採れた野菜。農業もされています。
せっかくなので野菜たっぷりいただきました。野菜好きにはたまりません。バーニャカウダ。
石坂ファームで採れたハーブで作った水。
あまくて美味しかったです。このお水。
コーヒーは、自分で挽く。挽きたてコーヒー。こだわりが凄い。
(私はコーヒー飲めないので狭山茶いただきました。宗像さんが頼んだ珈琲を撮りました)
石坂産業さん、既にリサイクル率95%以上ですが、更なる効率化を図ろうとしています。既に自社開発のシステムを導入していますが、IoTやAIをどんどん導入し人がやらなくてもいいようにしたり、様々な工程を自動化しようとしています。
ただ、1社だけでやろうとすると開発費用が高くなってしまいます。でも、産廃業者って全国にたくさんありますよね?石坂産業でできたシステムを、他の地域の産廃処理施設でも使えるはずだし、何よりも環境面の事を考えたらリサイクル率を上げていかないと日本が、地球が死にます。里山と産廃処理施設ってリンクしています。産廃処理をしている会社が里山を守っている。きっとこれまでにはたくさん苦労したりいろいろあったんだとは思います。でも、こういう視点を持って実践して会社を運営されているところは本当に素晴らしいです。
攻めている石坂産業という会社があることは日本にとってとても幸運なことで、大きな問題であるゴミ問題、環境問題に取り組むいい実験場になると思います。いろんな人の知恵や技術を持ち寄って、産業廃棄物のリサイクルや里山保全のモデルを作れますね。そしてそれを日本各地へ。
地域活性では、鯖江モデルを全国へ。と言っていますが、環境問題は石坂モデルを全国へ。そして世界へ。
典子社長の美しさもさることながら、本当に美しい会社さんでした。
典子社長、石坂産業新事業アドバイザーの緒方さん。
お忙しいところお話しいただき、そしてご案内くださりありがとうございました。
宗像さんが「会わせたい!」とおっしゃっていたのがとっても分かりました。惚れ惚れです。
私は何の知恵も技術もないですが、素敵な会社があるよ。と発信は微力ながらできると思うので紹介していきます!