早いものでもう3月。
あっという間に時間は過ぎる。
あたしはまだ看護学生やってます。
あの時は本当にもうだめだと思ったけれど、
次の日に副校長に呼び出しをくらいました。
副校長は上品なおばあちゃん先生で、生活感のない感じ。
看護師に生涯を捧げたような人で、結婚したことがあるのかも定かでない。
副校長はあたしが入院した時も、遠くの病院までお見舞いに来てくれて、
あたしの復学を全面的にサポートしてくれた。
学校の副校長が一人の生徒にそこまでするのかなっていつも思う。
最初はなぜ実習を早退したのかと軽くお叱りを受けました。
でも、それはあたしの心が弱ってたのを見越してのこと。
あたしは「無理をしてはいけない」「頑張ってはいけない」と言われることで
自分の「健康」のものさしがわからなくなっていたこと、
そして自分の限界を自分で低く設定してしまっていたことに気づいていた。
もちろん、それが悪いことなのかはわからない。
周りが求める「ちょうどいい自分」が掴めなくて、
いつも手探りの状態だった。
そのことを話すと副校長は、
「わかってるじゃない♪」
と笑顔を見せた。
そして、あたしの健康を決めるのはあたしではないこと、
それは主観的なものでしかなく、何の指標にもならないこと、
健康を表すのは客観的なデータ、つまり血圧だったり脈拍だったり、
身体の警告を知ることだと教えてくれた。
そのためにバイタルサインを習ったんでしょ?と。
それを聞いたあたしは、目からうろこな気分になり、
急に胸のつかえが取れた気がした。
病気をしてからずっと、無理をしない、がんばらないってどうやるのかわからなかった。
リハビリの時は「がんばって」
具合が悪くなくても「無理しちゃだめよ」
一体あたしはどの言葉の言うことを聞けばいいの?ってずっと思ってた。
そのモヤモヤを、副校長はいとも簡単に払ってくれた気がした。
少し軽くなった気持ちと、母親に対する憤りにまかせた勢いとで、
12日間の実習は無事に終了した。
1日早退したから、24日に1日だけ補習に行かなきゃならないけど。
今はまだ辞めるべき時ではないみたい。
とりあえずは「免許を取る」ということを目標に、
ゆったりやっていこうかなと思っています。