良問でしょ、客観的に(^^;)。 | “気侭な旅人”

良問でしょ、客観的に(^^;)。

まず冷静に、麻布中学などを受験するレベルでない外野の人間が、
とやかく言う問題ではないのだが(笑)。

“気侭な旅人”

現在、大学受験や高校受験に関わっている人間ではある。
が、職場の周囲の人間を見ていても、

【日本に於ける受験の主戦場は中学受験】

と言う事実を理解している人間は少ないような気がする。

僕は横浜在住だったので、30年前の当時からクラスの3分の1が中学受験するのが当たり前の風土だった。
既に明確な格差社会を意識し、「一億総中流」なる言葉が流行っていた時代に、
「うちは中流以下だから」(>_<)
と家族で話し合う家庭であった貧乏な我が家。
これ、後付け知識ではなく、明確に小学生時代に言っていたのを僕自身覚えている。

だから、中学受験など考えられず、当時、一番好意を寄せていた女の子にも、
「かねくんは何で受験しないの?」
とさぞ【中学受験をするのが当たり前】的に言われて、何も言い返せなかったよ(T_T)。
今だったら、気負わずに
「うち、貧乏だから」
と言えるが(^^;)。

今の「ゆとり教育」とは異なり、小学生の頃から明確に競争を煽る社会。
小学校だって、成績順位を思い切り貼りだしていた時代だからね。
僕が何位くらいの順位にいるかが如実にわかる時代。

駒場東邦とかに受かるようなレベルの当時のお友だちたちも、
「かねごんの知識では中学受験は合格しないね、ちゃんと塾で学ばないと。だから、塾に通わない?」
とか変な勧誘まで受けた(笑)。

で、小学校4年生か5年生の時にそのお友だちに言われたのが、
「例えば、ものが燃える三要素を言ってごらん」
だったな(笑)。
この麻布の「生物を表す三要素」
と似たようなものだ。

あっ、因みに皆さん、すらっと言える??
僕はここで彼から学びました、小学生の時に(*^_^*)。
しかも、受験的な解説付きで。

私立中学御三家ってカラーがあって、これは「自由な気風重視」の麻布らしい良問だろうね。
官僚養成系の開成、アカデミックな武蔵。

“マル”ではなくて、“ハートマーク”を付けたくなる答案。
意図している事がわかる気がします。
だから、マークシートで合否を決めるような学校は・・・(爆)。

正直に言うけれども、学校関係者がやる面接など当てにならない。
受験生の側はかなりびくついているけれども、実際には余程の事がない限り、面接で付く優劣など合否結果に関わってこない。
倍率が高い程、ほぼ同時に受けさせているテストや論文で決まりますから。
だからこそ、この麻布中学の問題のように、ハートマークが付くかどうか的な良問で攻めていくべきだよね。
徹底的に試験問題重視の方が、客観的、且つ、校風に合う生徒を採れるだろうね。

そもそも教育業界の人間って、端から【性善説】で捉えようとする輩ばかり。
企業の人事部のように、
「こいつを採用してこいつは会社の為に利益を出せるか」
的な明確な目的意識を持って行わない面接は正直無意味だろう。

しかし、SAPIXの担当者も明確に切ってくる。
さすが今や日能研など蹴散らして業界トップ、代ゼミと提携後、校舎によっては大学受験課の生徒数よりも中学受験課の生徒の方が多い場所があるだけの事はある。

そりゃ、大学受験の程度も意欲も下がっていくのは当たり前。
あの倍率だもの。
無理をしなければ誰でも入れてしまう「大学全入」時代。
しかも、経営危機にびくつく大学側は、とにかく早期にパイとしての入学者の人数確定を行う為に定員の半分程を推薦入試で採ってしまうわけで(爆)。

文部科学省や有識者、政府の連中も考えて欲しい。
学力低下をどうこうする施策や制度変更を色々挙げるが、そんな事、時間の無駄。
一番手っ取り早いのは、全ての受験段階に於ける、

【推薦入試制度の全面禁止】

だよね、冷静に。
僕などバブル崩壊後の団塊ジュニア世代を生きた人間は、
そのほとんどが推薦制度など人生の中で一度も利用した事がない。

“気侭な旅人”

しかし、そのお受験をしたであろう連中がこんなイラストで喜んでいる日本って(笑)。
安倍ちゃんは成蹊中だっけ??
石破は、、、知らん(>_<)。


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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130319-00000001-pfamily-soci

「な、なんだ、コレは!?」

 さぞかし受験生は面食らったことだろう。それは問題用紙の4ページ目に印刷されていた。問題用紙を開くと突如としてネコ型ロボット・ドラえもんの挿絵が出現するのだ。

 設問文の要旨はこうだ。<「ドラえもん」がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか>

 選択式の問題ではない。解答用紙には空白の記述欄のみだ。
 この御三家・麻布中の入試で今年出題された理科の問題が、ネットや新聞で取り上げられ、大きな話題となっている。

 私立中学の入試問題で、アニメなどの題材から出題されることは時々ある。しかし、今回はその知名度において比類のないドラえもんだ。ネット上では「答えが明確に出ない出題は不適切」といった批判や、ストーリーの詳細に立ち入った議論が盛り上がりをみせている。

 いったい麻布中には、どんな出題意図があったのか。学校側は、「問題の解答や意図の解説は一切しません」との見解ゆえ、学習塾サピックスの理科の教科責任者・松谷憲一さんに解説をお願いした。

「麻布中入試の理科の出題では、初見の題材を出す傾向がしばしばあります。受験生を“小さな科学者”としてとらえ、これまでどの問題集でも見たことも聞いたこともない切り口の問題に対して、どれくらい深い理解力や思考力があるかを問うのです。以前にも、ウランの半減期やAEDといった小学生には難解と思える内容も出題しています。それに比べ、ドラえもん問題はソフトな印象ですが、初見で科学的な思考が試されるという意味では、極めて麻布らしい問題だと思います」

 表面的な知識ではなく、本質をしっかりとらえ、「ドラえもんを科学者視点でどう判断するか」というこの応用問題。大いに気になるのは、その解答である。「簡単だよ、生物として認められないのはロボットだから」と考えた読者もいるだろう。残念ながら、それでは不正解である。「その回答では問題文の内容を言い換えたにすぎない」(松谷さん)

 実は、ドラえもん問題は理科の大問2の問7として出題され、同じ大問の中にヒントが隠されている。大問2の問題文には地球上の「生物」に共通する特徴として、以下の3つがあげられている。(1)「自分と外界とを区別する境目をもつ」、(2)「自身が成長したり、子をつくったりする」、(3)「エネルギーをたくわえたり、使ったりするしくみをもっている」

 これらをしっかり読んで解き進めれば、「ドラえもんの場合、(2)の『自分自身の成長や生殖』という項目に該当しないから生物ではない」ということになる。
 松谷さんによれば、同塾の麻布中合格者の多くは、このように記述をしたという。

 一方で「漫画やアニメのキャラクターで、世の中にはもともと存在しないから」や「4次元ポケットなど秘密道具を持っているドラえもんに3次元である生物の条件をあてはめるのは難しい」といった子供らしい解答例もあったが、これらは科学者としての視点に欠けるのだ。

「この問題は見た目こそインパクトがありますが、それほど難解ではありません。合格ラインに乗せるには、この問題を落としてはいけません。ある意味、このドラえもん問題が合否を決めるモノサシだったと言ってもいいでしょう」(松谷さん)

 「大人もてこずる難問」とインターネット上で話題になったにもかかわらず、麻布などの上位校を目指す子供にとっては比較的易しかったことを証明する出来事があったそうだ。

 それは、サピックスの5年生(新6年生)に松谷さんがこのドラえもん問題を授業で出してみたときのことだ。すぐにある子供が「(ドラえもんは)自分で成長しない」と発言をした。すると別の子が「ビッグライトを使えば大きくなれるよ。だから、成長っていえる」と反論した。ところが、最初に答えた子はこう再反論したのである。「生物の成長を細胞の増殖とすれば、(ビッグライトで大きくなる)ドラえもんは体内の部品1個1個が拡大するだけなので、成長とはいえないよ」。この5年生のやりとりを目の当たりにして、松谷さんも驚いたそうだ。

 また「ドラえもんは交尾しないから生物ではない」と生殖に着目する子供もいた。これに対しても、「ドラえもんがフエルミラー(ドラえもんのひみつ道具の1つ)を使って自力で分身を作りだすことは可能だから、繁殖行為とみなしてもいい」といった機転の利いた意見が次々に湧き出てきた。子供たちの当意即妙な受け答えや思考力は想像以上だったようだ。

 松谷さんいわく、こうした記述問題は、正解・不正解だけでなく、採点者の心をときめかせる解答内容であるかどうかも採点のポイントではないかという。

「記述問題の正解は1つではありません。大事なのは先生が単なる“マル”ではなく、思わず“ハートマーク”をつけたくなる解答を書けるかどうかです。“ハートマーク”とは先生が『この子に教えてみたい』と思うこと。好奇心と科学的素養と表現力のある子供を発見したいからこその記述問題です。いわば記述問題を通して、先生は受験生に面接をしているんですね」

 麻布の試験に精通する関係者によれば、理科の配点は40点満点で1問1点だが、記述の場合は、正解・不正解だけといった採点ではなく「得点に小数点がつくことがある」という。つまり、同じ正解でも、0.1点から1.0点までの幅があるということだ。

 中学入試全体を見渡すと、こうした記述問題は昨今顕著に増加している。その理由は選択式問題の場合、消去法によって選択肢をある程度絞ることができ、正解しても本当の意味で理解しているかはわからない、という認識が中学校側に定着してきたためだ。

「今年は記述問題に加え、図示をさせる問題もこれまで以上に増えました。トンボやろ過装置などを描け、といった出題がありました」(松谷さん)

 2011年4月に小学校学習指導要領が改訂となり、理科教育の目標として「自然に親しみ、見通しをもって観察、実験などを行い、問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに、自然の事物・現象についての実感を伴った理解を図り、科学的な見方や考え方を養う」と「実感をともなった理解」を重視するようになったことも、こうした論述や図示の問題が増えている一因だ。

 さらに、来年以降、中学入試理科の記述問題のトレンドとなると松谷さんが予測するのが「仮説展開型」と呼ぶ出題形式だ。「例えば、砂糖よりハチミツが好きなチョウがいると仮定して、それを証明するにはどんな実験をして、いかなる結果が導き出せればいいか、といったことを答えさせるような問題です。人を説得するだけの知識力と論理力に裏付けされた科学者としての視点が問われます」(松谷さん)

 そうした総合的な理科の論理力を鍛えるために、家庭でできることは何か。

「こうした問題を解く前に子供たちには、問題文をお父さんやお母さんとの会話だと思いなさいと伝えています。親御さんは日常のなかの不思議を子供にどんどん問いかけてやってください。普段から、なぜ、リモコンを壁に向けてもテレビの操作は可能か。なぜ、吸盤は付着するか。答えを初めから与えるのではなく、子供に調べさせ、説明させる。また、TVなどで放送している科学番組を録画するのもいいでしょう。単に映像を再生するだけでなく、時々停止ボタンを押して、番組内の実験の結果がどうなるか、などを子供に考えさせたり、わかったことを説明させてみる。そうすることで、詰め込み教育よりは遠回りになりますが、知識と知識が頭の中でつながっていく下地ができる。そうやって知識の“点”がつながって、あるときそれらは“線”に、そして“面”になり、今回のドラえもん問題のようなユニークな出題でも受け止められる科学的な思考ができるようになるのです」(松谷さん)

 一部では批判の声まで出た「ドラえもん問題」だが、奇をてらって出題された問題ではなかった。「こんな子に教えたい」という名門校ならではのメッセージが込められていたのである。

 ※設問文は一部省略しています。