小田原の家の仕事で小田原駅から現場に行く途中で小田原城公園内を毎回通りました。
きれいに整備された公園は小田原城を中心に門や堀が歴史を感じさせてくれるとともに、平城の特性を活かしてオープンに出入りできることから、現代の騒々しさの中でも一服の清涼剤のような史跡の静けさを感じることができます。
仕事の合間にもふと立ち止まって考える時間をもらいました。
さて、その公園内は季節ごとに行事も多く模様され、様々な花々が咲き、来訪者、観光客を楽しませてくれます。
丁度一週間前ほどに行くと観光客や家族連れで人が多く、その人の流れの先で花菖蒲と紫陽花がきれいに咲いていました。
以前に堀であったところに様々の種類の花菖蒲(はなしょうぶ)の花が咲き、本丸御殿を守る以前の石垣の部分に紫陽花がこれも様々な種類が咲いていました。
前日からの雨が夜半には上がりましたが、雨に打たれた花弁が少し下にうなだれていましたが、雨のしずくが残り加減の風情もなかなか良いものでした。
「いずれがあやめか、かきつばた」という言葉で二人の麗人のいる様を言いますが、ここに花菖蒲が入ったら句になりませんよね(‐^▽^‐)
あやめは花の元に網目状の模様があるから菖蒲(あやめ)と言われているようですが、漢字で書くと菖蒲(しょうぶ)で同じなんですね。
背丈が小さく、葉も細く、小じんまりいています。
歴史的にはあやめと杜若(かきつばた)が先のようで、杜若は青紫の色素を取るなど万葉から日本の文化の元のような花です。
花菖蒲は江戸時代から代わり花を改良して、たくさんの種類の花が登場してきます。これも日本特産です。
どうやって見分けるかですが
咲いている場所が畑など乾燥したところに咲くのがあやめ
水田のように水のあるところに咲くのが杜若
両方に咲くのが花菖蒲
の違いがあるようですが、花だけ見て分かる方法があるそうです。
確かに、花菖蒲はどちらとも一緒に咲くのでしょうから
花で分からなければ判別できませんね。
あやめは花弁の根元に網目状の模様がある。
杜若は花弁の根元に白い目の形の模様がある。
花菖蒲は花弁の根元に黄色い目の形の模様がある。
これが見分け方のようです。
梅雨という季節がある日本の気候風土を代表する花で、サクラと共に日本人とは切り離せない花です。
もう一つの花が紫陽花です。
これはもうよく知られた花で、種類も多いですから説明もいらないと思いますが、葉っぱは毒がありますので注意ですね\(゜□゜)/
左上に入母屋の屋根が少しだけ見えますが小田原城の門の屋根です。
額紫陽花も含めて色や花弁の違いなどで様々に咲き乱れています。
松の木が無造作に伸びているのが残念です。
市の方で選定の話があったようですが、すべての木を切るというような話になってしまい、市民の一部の人がメディアを巻き込んで話題になってそのあとはどうも・・・と聞いています。
そして、まだ花は咲いていませんが大賀蓮(おおがはす)です。
ついこの間まで水面しか見えなかったのが、突然のごとく蓮の葉が繁茂しています。
やはり、石垣の下の堀の中から元気よく伸びています。
「どぶに落ちても根のある奴は、いつかは蓮(はちす)の花と咲く」という、寅さんの歌でも歌われるように、突然のごとく水面の下の泥から葉が出て、夏の太陽に照らされながら凛と咲く蓮の花。
英名が East Indian Lotus 、中国では 蓮 、日本では はちす。
日本では果托(かたく)の形がハチの巣に似ているので、古くははちす、鎌倉時代以降は短くなって はす ともよばれました。
この果托のなかの実が熟すと硬くなり、数珠(じゅず)にも使われたそうです。
大賀蓮の名前の大賀は、千葉県の検見川農場の地中から発見した蓮の種子を開花させた大賀一郎理学博士の名前から取られ、なんと2000年前のものと分かりました。
被災地の津波に飲まれた地域も必ず輝く花を咲かせてくれることと確信しています。
世界各地に分根され、小田原城の大賀蓮もそのうちの一つです。
夏に小田原の家に伺う機会があればタイミング良く見ることができたら幸いです。