今年3月竣工の静岡県浜松市天竜区の区役所新庁舎一部にFSC森林認証材の天竜産杉とヒノキが使われました。
公共建築物の一部にFSC材が使われたのは全国で初めてです。
FSC(Forest Stewardship Council・森林管理協議会)は、世界の木材産地の森林とその森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際機関で、本部がドイツのボンにあります。
その認証は
1)森林の環境保全に配慮し
2)地域社会全体の利益に貢献し
3)経済的にも継続可能な仕組み
で生産された木材に与えられます。
消費者が多くの木材産地の中からこのFSCのマークが入った製品を選択して買うことにより、その木材産地の森林保全を間接的に応援できる仕組みです。
もともとは開発途上国の森林が先進国への輸出のための伐採などで荒廃したことから、違法伐採や保護価値の高い森林の伐採を防ぐ仕組みで設立されました。
日本でも認証が2003年5月から認証が行われ全国で33箇所の事業者、約33万ヘクタールの森林面積になります。
日本の場合は違法伐採を防ぐというよりも、間伐=かんばつ(木の成長を促すために成長遅い木を伐採して成長が見込める木の成長を促進する)が行われずに森林の荒廃が進むのを防ぐことを支援する要素が強いです。
林業を基本とした地域経済の活性化を後押しし、次世代にわたって森林、林業、地域経済、文化の発展を期待するものです。
木の家づくりネットワークの中核ネットワーカーである金山町森林組合と金山町の林業管理会社である(有)三英クラフト (認証面積955ha)が2004年1月に認証を得ています。
木の家づくりネットワークではFSC認証の金山杉を使った木の家
を、2004年11月に設計監理、施工しました。
しかし、輸入集成木材が円高もあって相変わらず安く手に入り、プレカットによって木材を加工することが当たり前になった状況では、なかなかFSC木材が広く普及しているといえません。
これから、公共施設への導入などにより広く広報されるとともに、住まい手の方にお知らせしていこうと思います。
FSC認証木材を見直しましょう