今日は久しぶりに、
ワンダーミンツを聴いている。
日曜日だしね。
ってなんだかよく分からねえけど。
ワンダーミンツっていうのは、
ダリアン・サハナジャとニック・ワルスコという、
あのザ・ブライアン・ウィルソン・バンドの中心メンバーが在籍しているグループ。
ブライアンをサポートする前から、
ワンダーミンツは活動しているから、
そのへんは間違えちゃいけないんだけどね。
80年代の中頃からバンドは、
地道な活動をしていたみたい。
そして1994年ぐらいから、
ブライアンとのセッションを経験して、
1995年に1stアルバムを発表するんだよ。
その時ブライアンは、
「このグループが1967年当時に存在していたら、僕は『スマイル』を完成させていただろう」
とワンダーミンツを絶賛しちゃうわけ。
でも2004年にブライアンはダリアンの強烈なアシストで、
本当に『スマイル』を完成させるんだけどね。
まあブライアンが絶賛するほど、
60年代の優れたポップスに精通しているんだよ。
当然その最高峰がブライアン・ウィルソンなんだけどね、
このグループにとって。
そして僕が今聴いているのは、
1998年に発表された、
『バリ』というアルバム。
ダリアンの故郷インドネシアのバリがテーマになっているのかと思えば、
まあそのへんの香りがないわけじゃないけど、
基本は自分達の好きなロックの要素を全部取り入れて、
それを21世紀に向けたサウンドに仕上げているってな内容。
かなりの音楽マニアという臭いが漂っているんだけど、
偏執狂な香りがしないんだよな、このグループは。
例えばアンディ・パートリッジみたいなっていうか、
ライ・クーダーみたいな、
面倒臭さは感じない。
それがネットリへばりつくような、
しつこさを排除しているんだよ。
しかしそれが諸刃の剣で、
そのアッサリ感が物足りなく感じるって時もある。
だから聴く時のタイミングを必要とする、
なんて思う瞬間もあるかもしれない。
とはいえかなりこのグループは、
人を喰ったところがあるんだよ。
この『バリ』というアルバムは、
収録曲が13曲なのに、
トラック数は99トラックなんだよ。
残りの86トラックは全部バリの波の音。
なるほどいいたかった『バリ』ってのは、
ここにあったのか~って、
初めて聴いた時は、
膝を叩いて爆笑しちゃった。
人によってはその波の音を、
壮大なる癒しなんていうけど、
違うよな~、それは。
ロックにはユーモアが必要なんだよ。
いたずらみたいな、
そんな馬鹿馬鹿しさが必要なんだよ。
そんなおちょくりみたいな、
壮大なエンディングがあれば、
このアルバムのアッサリ感が、
実はこのいたずらのためのマエフリだと気くんだよ。
そう気づいちゃうと、
このアルバムが途方もなくすごく感じられるはずだよな。
ビーチ・ボーイズの『フレンズ』と、
ゾンビーズの『オデッセイ&オラクル』を混ぜたようなこんな曲も収録されているよ。