ショック(ある自閉症のお子さん、私が思ってた以上に音声言語がわかっていなかった) | kingstone page(旧)

ショック(ある自閉症のお子さん、私が思ってた以上に音声言語がわかっていなかった)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 kingstoneです。

 ある生徒さん。
 音声言語は「あります」
 いろんなことを言います。

 LDT-R(言語解読能力テスト改訂版・・・太田のステージ評価をするためのテストです。めちゃ簡便です)をしました。

 1枚目の図版を通過することができませんでした。

 1枚目は猫や時計やりんごなどの絵が描いてあります。
 「猫はどれですか?」と聞いて猫の絵を指さしてくれればOKなのですが指させません。自分で指さしながら「猫」「りんご」とかは言うのですが、私の質問(指示)に応じようとはしないわけです。

 彼の段階はステージⅠということになります。

 「認知発達治療の実践マニュアル」にはステージⅠは

「StageⅠは「シンボル機能が認められない段階」で、感覚運動期にあたり、一般の子どもの発達の1歳半くらいまでの発達水準に相当する。「物に名前があることに気づいていない」段階である。」

となっています。しかしもちろん今回の彼の場合は物に名前があることはわかっています(??とりあえずはね)でも、それを相手との関係の中で相手の出した音声言語を頭の中で道具として使えていない
状況ということだと思います。

 で、ここでわかるのは、こういう彼に対して音声言語主体で、かつ音声で答えさせるような授業ばかりしてちゃだめだよう、ということになると思います。

 でもって、彼の得意なところを探して、自信を持ってできる授業を組み立てていくことが大切なのだと思います。

 しかし・・・実のところ私自身もⅠは通過すると思っていたので、ショックはきつかったです。そんなこともわかっていなかったのか、と言われそうですけど・・・

 こういうお子さんがたくさんいるのだろうな・・・