叩かれていた子の例2 | kingstone page(旧)

叩かれていた子の例2

 大昔の話です。

 特別支援学級担任の頃。

叩かれていた子の例1」の続きです。

 この子のお母さんは困って、そしてちゃんとしつけなければ、という思いの
中で爆発的に叱責したり、時には手が出たり、ということもありました。

 お母さんも「衝動的に行動する時もある」感じがありました。

 おばあちゃんが学校に来たこともあるのですが、いきなり子どもをどついた
(叩くというのではなく、どつくでした)のでびっくりしました。お母さんも
叩かれて育って来たことは容易に想像がつきます。しかしそれは「虐待の連鎖」
とかいう感じではなく、みんな「衝動的に行動する」から、という感じがしま
した。

 お母さん自身、悩んでおられました。

 いろいろなところに相談に行かれたようです。

 で、どこでも「叩いてはいけない」ということは言われたようです。
しかし「こうしたらいいよ」ということは、専門家の方は言ったのかもしれま
せんが、お母さんには伝わらなかったようです。「いったいどうしたらいいの
か」と困っておられました。

 私自身も1学期の終わりの懇談会で
「叩かない方がいいよ」と言ってしまいました。お母さんはその時は納得して
下さったように見えたのですが、クラスを出てすぐその足で校長室へ行き、
「普通学級に転籍します」とカンカンになって主張されました。

 お母さんのつらさを理解できていなかったな、と思います。
 
 とにかく子どもが楽になるように、お母さんが楽になるようにしなきゃなあ、
と思いました。