過去の記事210(型にはめようとしての失敗) | kingstone page(旧)

過去の記事210(型にはめようとしての失敗)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の3学期の話です。
---------------
 1月30日


型にはめようとしての失敗


 最近、いろいろあってC君、ちょっと不安定なところがあります。

 しばらく前にC君が朝の集いのランニング(体育館をぐるぐる走って回る)
の時に走らない、というのが問題になったことがありました。とりあえず
うちの学年で、その時にC君に指導に当たれる手が無かったので特に何も
手だてはしてませんでした。

 でも他の学年の先生からも「なんで走らないの」なんて言われたり・・

 で、ちょうど偶然手ができたので、こんなことをしてみました。

 手に小さな旗のついた棒を何本か持つ。
 1周ごとに缶に1本、旗を入れる。
 全部無くなったら終わり。

 出だしは一緒に走らないといけませんが、途中からは一人で走って
旗を入れて行きます。

 うむいい感じと思っていました。

 でですね・・・今日3回目だったのだけど、旗が無くなったら走る音楽が
鳴っていても止まって休んでおきなさい、と指示したのです。本人は走り
続けようとしていたのに。

 するとしばらくしてC君泣き出してしまった・・・・

 その時「あっ、悪かったな」と思いました。また「システムが衝突してる」
って感じもしました。

 今までは音楽が鳴ってみんなが走っている時に走っていたのに、何で急に
やり方が変わるの?

 後から考えると「旗を入れる」というのはC君が「走る」ということの意味
が理解できない時に別の形で教えているわけなのですが、「旗が無くなったら
止まる」ということはしなくても「後は音楽が鳴っていれば(みんなが走って
いれば)走ってもいいよ」というシステムでもいいわけですよね。

 柔軟に考えないと・・・

(でももともと動機が不純、とも言える・・・他の先生に言われたから、なんて
・・まあ、何とかしないとなあ、とは思っていましたが)

 あっ、ちなみにこの旗を入れていくシステム、腹筋の時は10回で終わり、
というの、今までは1回1回指示が必要だったのが指示なしでできるように
なりました。で、その時はC君は1回1回の時は不安そうだったのが、旗の
システム以後は上機嫌でできるようになりました。