金吾、君は僕たちが結婚してとても不安がいっぱいの中
二人でがんばって生活をしていこうと決意したその年、僕たちのところへ突然やってきたね(^^)
とても小さい君は妻の履いているスリッパの上で寝てしまったのを覚えています。
寝ては起き起きてはまた眠り、家中のすべてのものをかじりながら(笑)
すくすくと大きくなっていった君・・・・
でも、結婚したてで経済的にも苦しかった当時、
満足においしいご飯も買ってあげられなくても、いつも元気に振舞っていてくれた。
いたずらが過ぎて僕にしかられるといつも怒りながら、洗濯機の前でこっちをにらんでいた。
飼ってはいけない家で住んでいたため、いつも押さえつけられながら満足に外を眺めることも
、吠えることもできなかった・・・・
今の家を購入したのも君のためを思ってのこと。
君に思い切り地面を掘らせてあげたい。
思う存分外を眺めさせてあげたい。
吠えたいときに気持ちよく大きな声で吠えさせてあげたい、
そう思ってのことだったんだよ(^^)
「新築の家なのに家の中で放し飼いにしてるの!!」って驚く人たちに
「金吾は僕たちにとって家族より大切なパートナーなんだ!
だから家より大切なんだよ、君たちは子供ができたら新築の家だと外で育てるの?」
って友達達に言う僕をうれしそうに、そして誇らしそうに見上げていたね(^^)
冗談じゃなく本当に君が居なかったら今でもこの家は購入していないと思うよ。
この家に越して君と一緒にすごした五年間、
君が一生懸命掘ってくれた穴は今でも雨の日にすごく水がたまってる(笑)。
君が駆け出していった玄関と廊下は君のつめの跡が今もくっきりと残っている。
僕たちと毎日一緒に寝るために君が上り下りした階段にも君の足跡が残っている
朝、一緒に一階に下りるときに僕が少しでも遅いと途中でとまって僕のことを待っていた君、
そしてこの家の隅々にまではっきりと残る君の居た場所・・・
そして君の暖かさ。
今このときにも僕たちは君を感じているんだよ(^^)
君が自由に振舞えるようになったこの家で、僕たちと楽しい日々を過ごせたと確信しているよ。
僕たち夫婦が結婚してからずっと、
つらい時も楽しいときも、苦しいときもうれしい時も、起きているときも眠っているときも、
いつも、いつも一緒に過ごしてきた君、
僕たち夫婦の歴史そのもの。
君がいたからこそ僕たちはここまでやってこれたんだ。
一歳になってすぐに、ひどい伝染病にかかって獣医の先生に
「もう助かりません」
と言われたときも君は真正面から病魔と闘い見事勝利してくれたね。先生が驚くほど後遺症もまったくなく、患う前より元気になってみんなをびっくりさせていたね。
五歳のとき、腸炎を患ったときも、血便を出しながら戦って戦って元気になった・・・
そして・・・十三歳と六ヶ月の平成十五年の暮れ。君は老化のための心臓病、
僧帽弁閉鎖不全症
になってしまい、平成十五年の暮れひどい発作と肺水腫、不整脈、失神・・・・
もうだめかと覚悟した僕達を笑って励ますかのように、また見事に病魔と真正面から戦い勝利してくれたね・・・
あのときのうれしかったことうれしかったこと。最後に僕達との大切な時間をプレゼントしてくれたんだよね。
独りよがりかもしれないけれど、とても素敵な時間を君と過ごせたと思っているよ(^^)
僕がボイラーの試験を控えていて、
勉強を始めると励ますかのように、
僕のそばに来てくれてじっとしていてくれた、
あんなに嫌がっていた薬も自分から飲むようになってくれたし・・・・
いつもと変わらない金吾で居てくれた・・・・
そして食欲も戻り体重も元に戻って
「もちろん心疾患は治っていませんが」
僕たちにまた君と一緒に過ごせる時間をプレゼントしてくれたね
、もうだめと思っていただけにとても大切で貴重ですてきな時間でした。
それからというもの、散歩のときは僕たちがひやひやするほど元気な姿で遊んでいたし、
食欲も「心疾患を患っているの?」って本気で思うぐらい、いろんなものをたくさん食べていた君
一時はがりがりになっていた体も健康なときと変わらない体重に戻ってきた・・・・
「こいつ治ったのでは?」と思ってしまうぐらい昔より元気な姿で、僕たちの前に居てくれたね。でも・・・
そして・・・・
三月九日突然の発作、病院で治療を受ける
肺水腫を起こしているので入院して酸素吸入してもらうと少し元気になる。
夕方迎えに行くと、僕たちを見つけてすぐに病室から出てきて甘えてきたね。
僕たち二人が迎えに行くと全然違う金吾を見て先生が
「金吾君がどれだけお二人を信頼して愛しているのかわかります」って言ってくれたよ(^^)
本当にうれしかった。
でも、家に帰ろうと先生に薬の説明を聞いているとき突然心停止・・
お別れも言ってないのに・・・・
すぐに先生が蘇生を試みてくれて何とか息を吹き返してくれた君、
僕たちに抱かれながら酸素マスクをつけて少し元気になったとき
、自分でマスクを何度もはずして僕たちを困らせたね、
でも、あの時君は
「もう僕はすべての宿業を受けきって宿命転換したから早く逝かせてくれよ」
って言ってたのかもしれないね・・・・
また心停止を克服して僕たちにゆっくりお礼とお別れの時間をプレゼントしてくれたのかも・・・・
とうとう自分でマスクをはずして、
妻のほうへ顔を摺り寄せてなでてもらった後、
僕の腕にも顔を摺り寄せてきた君。
僕が頭をなでながら
「ここにおるで、心配せんでええよ」
って言う言葉を聴いて、気持ちよさそうに横になって数十秒・・・・
本当に眠るように安らかに旅立って行ったね(^^)
まるで自分の寿命がわかっていたかのような安らかな最後だったね。
最期を一緒に看取ってくれた動物病院の先生はじめスタッフの皆さんも一緒になって泣いてくれていた。
本当に最後までいい子で眠るように行った君、
今まで病気がちでいっぱい苦しい思いをしたと思う
けどそのたびに戦い、乗り越えて見事復活してくれた君。
金吾。
君には、困難と戦うことの大切さ、生命の尊さ、負けじ魂、本当の意味での家族の絆、絶対あきらめない覚悟
そして何より、すばらしい宿命転換の瞬間を僕たちに教えてくれたね。
そして約十四年間僕たちに安らぎと、ダイヤモンドより光り輝く思い出をプレゼントしてくれた・・・・
君がいなかったら僕たちは何に対してもすぐにあきらめてしまう人間になっていたかもしれない。
楽なほう楽なほうへ逃げる人生を歩んでいたかもしれない・・・・
君の存在がどれだけ勇気になったか、希望になったか。
君には教えてもらうことばかり・・・もらうものばっかりだったね。
でも、今世ですべて宿業を受けきって来世は健康で何の不自由もないすばらしい境涯で生まれてくることと確信しているよ(^^)
僕も君が教えてくれた、戦う命をもち続けて。
生まれ変わった君にいつ出会っても恥ずかしくないような人生を歩むことを夫婦で今ここに誓う!
だから心配しないで、今はゆっくり休んでいいよ。いっぱいいっぱい苦しい思いをしたんだから・・・・
もう呼吸困難も、咳も出ないね(^^)
思う存分水を飲んで、いつまでもゆっくりと眠っていいよ、
次に生まれてくる準備が整うまで今はゆっくり過ごして欲しい・・・
でも、君のことだからもうどこかで生まれてるかもしれないね、
だって家に帰ってきた君は仏典に書かれている通りの見事な成仏の相をしていたから・・・・
いつの日か、生まれ変わった君と再会する日を本当に楽しみにしているね。。。。。
最後に、金吾。今まで本当にありがとう!
言葉では言い表すのは無理だけど大切な時間をありがとう、
僕たちは三世永遠に君のことを忘れない、否、三世永遠に一緒だよ!ずっと・・・・ずっと・・・・
君の三世永遠のパートナー。きんご・きんつま。