第48話「秘密Ⅳ」 | 15才美少女と塾講師の禁断の愛…

第48話「秘密Ⅳ」


「俺の話を聞いてくれないか?」


俺の真面目な口調に、静香も肯いて・・・



「俺はさ・・・・俺にはさ・・・」





静香はただ・・・
俺だけを見つめていて・・・





口を開こうとしたけど、
なかなか言葉が出てこない・・・





最後の決断をしたはずなのに・・・








分かってるさ・・・
自分でも十分に分かっているんだ・・・


これを言ったら・・・
本当に俺たちはオシマイだってことが・・・








俺は・・・
静香のことが本気で好きだけど・・・





だけど、それ以上に・・・



















あの人のことを愛しているから・・・

















あの人と別れることなんて、
死んでも出来ない・・・


















静香・・・





お前と終わりにしたくないよ・・・







だけど・・・





もう言うしかないんだ・・・








これ以上、お前の気持ちを
弄ぶことなんて出来ないから・・・
























「俺には・・・




もうすぐ結婚する人がいるんだ・・・。」















「知ってるよ・・・せんせぇ・・・」




え・・・






「知ってたよ、ずっと前から・・・」








ちょ、ちょっと待ってよ・・・





え・・・





(゚Д゚;≡゚Д゚;)
ええええええー?!





「前に先生が法事で何日か塾を、
お休みしてたときがあったでしょ?」




「・・・・・・。」



「『ヒカル先生もついに年貢の納め時かぁ』って
他の先生たちが話をしてて、

私が先生に『結婚したの?』って
聞いたの覚えてる?」





あ・・・ああ・・・
そ、それは覚えてるけど・・・

でもあれは・・・



「先生は違うって言ってたけど、
私・・・ホントはすごい不安だった・・・」




静香・・・



「先生が嘘をつくはずが無いって何度も思ったけど、
やっぱり不安で仕方なくて・・・

夜も眠れなかった・・・





俺は、あれでお前が完全に信じてくれたと思ってた・・・






「先生の言うことを信じる。ごめんね、先生。」





この言葉を・・・



信じきっていたんだ・・・






いや、違う・・・



あのとき、俺は確かにヤバイなって思ってた・・・
静香に疑われてるかもしれないって懸念してた・・・


《ホントは疑ってても、俺に嫌われたくないだろうから
すぐに引き下がっただけかもしれないけど》


もしかしたら、って静香の心の内を予測していたのに・・・





自分に都合よく、
忘れていたんだ・・・





「あの後、優香に相談して・・・

もう一回、他の先生に聞いてもらったの・・・」




「・・・・・・。」




「そしたらね・・・
『ヒカル先生、もうすぐ結婚するらしいよ。』
って教えてくれたから・・・」










・・・ぶるぶるぶる・・・











生徒に人のプライベートを
喋ったボケは誰じゃ!!

(;゚皿゚)ウギャー




い、いや、今さらそんなこと言っても仕方ないことで・・・


だいたい・・・


一番悪いのは俺なんだから・・・_| ̄|○ililil








「あ、あのさ・・・俺な・・・」


「いいんです、気にしないで下さい。」



い、いや、気にしないでって言われてもさ・・・





静香は・・・

きっと大泣きして収拾がつくなくなるだろうって、
予想してたんだけど、実際はまったく逆の展開で・・・

少し寂しげではあったけど、
笑顔を見せるから・・・





こんなときまで笑っていられるんだね・・・









強いな・・・お前は・・・









「私は・・・先生に恋人が・・・
婚約者がいるって知ってたのに・・・


ずっと先生のこと追い掛け回してた・・・


私の方こそ卑怯だよね・・・えへへ・・・」






言葉とは裏腹に、
笑っていた顔が少しずつ・・・
曇り始めて・・・






「わたしね・・・
先生の恋人さんに悪いと思ったから・・・
あきらめようと思った・・・


もう、先生に電話するのやめようって
何度も何度も思った。


ホントにホントに悲しかった・・・
こう見えても、先生の恋人さんのこと知ったとき・・・



すごい泣いたんだよ?  


あは・・・」








知ってるよ・・・
お前がすごい泣き虫だってことは・・・

お前のことは分かりすぎるぐらい知ってるから・・・





だから・・・





笑うなよ・・・










そうやって無理して笑顔を作る
のはやめてくれよ・・・













「それでね・・・
部屋で
泣きながら・・・
先生の携帯のメモリーを消そうとしたけど・・・


できなかった・・・


先生のこと・・・
全然諦められなかったよ・・・



先生のことホントに・・・



大好きだから・・・」











笑っていたのはやっぱり・・・



強がりだったんだね・・・








俺には・・・



どっと溢れる静香の涙を、
どうすることもできなくて・・・











周りの人たちが俺たちのことを、
こっそり指をさしながらチラチラ見ていて・・・


俺たちのことを何も知らない奴らの好奇心に
照らされていたことは百も承知していたけど・・・





だからといって・・・





静香の気持ちを・・・
これ以上ないぐらい踏みにじってきた俺には・・・





誰かに文句を言えるような資格なんてなくて・・・













ハンカチを取り出して・・・



涙を拭いてやることも・・・



渡してやることさえも出来なかった・・・