大阪の龍馬。 | Kinasseの店長日記 ~ワインの素人、ワインを知ろうと~

大阪の龍馬。

いつもありがとうございます、Kinasse古賀です。

先日、大阪へ二泊三日で出張して参りました。

目的は島之内にオープンした「フジマル醸造所」のお祝いと見学です。

最新号のエルアターブルにも「アーバンワイナリー」として大きく掲載されていますし、
関西では新聞やNHKにも取り上げられて話題になっていますね。

今年の1月12日にキナッセに藤丸さんをお招きして、
「ドメーヌ デ パピーユ」のワイン会を開催させていただいたのも記憶に新しいです。

20:00頃に現地に到着すると、2Fの食堂の窓から藤丸さんが笑顔で手を振ってくれました。
なんと、自ら食堂のサービススタッフとしてカウンターに立たれていました。

色々とお話をさせていただき、醸造所を隅々まで見学させていただいたのですが、
実は、別にワイナリーがどんなだったかとか、僕は書く気はないんです。
街のど真ん中にある都市型ワイナリーだとか、そういうスペック的な事はどうでもいいんです。

それよりも少し、藤丸さんの話をしましょう。

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「いつかはワインを造りたい」

大学卒業時にそう夢見た若者が、
いくつかの飲食店での仕事を経て、南半球へ渡り、ワイナリーでの仕事を手伝います。
そして帰国後、二十代で小さなちいさなワインショップを開業。

柏原のワイナリーの社長に掛け合って、山の斜面にある荒れ果てた耕作放棄地を借り受け、
石やゴミをどかし、畑を開墾しなおして葡萄を植えるところからコツコツと毎朝作業を続け、
ついには2010年にオリジナルのワインを造るという夢をかなえます。

その後も彼の情熱の火は消えることはなく、
2012年に満月Pubを立ち上げ、
そして2013年には醸造免許を取得して念願のワイナリーを建設。。。

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実に、ワインショップ開業から、わずか8年の出来事です。。。

これが、僕が知る藤丸さんの約10年の話。
(間違ってなければ...ボソッ)

深夜にパセミヤさんで一緒に食事させていただきましたが、
「今は日本人のワイン消費量を倍にしたいんですよ」
と屈託なく笑いながら語る藤丸さんが素敵でした。

きっと、それさえも、数年後には実現してるんじゃないでしょうか。

彼の造るワインが、どうしてちょっぴりアルコール度数が低いのか、知ってますか?
彼がどういう想いでワインを造っているのか、知っていますか??

ところで、みなさんは、夢、かなえたことありますか?
とんでもなく大変なことですよね、夢を実際にかなえるって。
でもね、強く願えば、結構かなうもんだと僕は思っています。

なんでも、大事なのは「想い」です。

「想い」が「行動」になってあらわれるし、
それを見た周りが心打たれて後押ししてくれたりして、
夢ってかなっていくものなんだと思います。

お祝いに出掛けていったのに、結果的には自分が勇気づけられ、
大事な大事な、あったかいお土産を持たされて帰ってきたような出張になりました。


そういえば僕、生意気ながらパセミヤさんで一つの話をさせていただいたんです。

「日本ワインって、いま、明治維新みたいだなーって思うんですよ」って話。

長くなりますが、ついでにもう少し続けて書かせて下さいね。

ヴァン・ナチュールって、勝山晋作さんを中心に、みんなが一つにまとまっている感じがするんです。
すんごく同業同士も仲がいい。だからフェスティヴァンなんて素敵なピースフルなイベントもできる。

でも、日本ワインって、まだまだそういう雰囲気がないんですよね。
「我こそが日本ワインブームの立役者だ」とか「我こそが日本ワインブームの応援団長だ」
みたいな考え方の方々が、小さなグループから大きな団体まで、点在している感じに映ります。

「日本ワインが好き」な気持ちはみんな同じなはずなのに「我こそが」の主張が強い。
「薩摩」とか「長州」とかで意地を張ってるように見えるんです、それが。。。本当に小さい。。。

どこにも属さずに「日本のため」という大きな目的一点においてのみ動き、
「薩摩」や「長州」「土佐」を一つにした坂本龍馬のような人物が必要なのかも知れませんね。

僕は、自分自身がそういう器だとは思っていませんが、
どこのグループや団体にも属さずに、造り手の方の「想い」をお客様に届けたいとは思っています。


そんな話を、酔った勢いでさせていただいたのですが、若輩者が本当に恥ずかしい限りです。。

後日、大阪ワイナリー協会の発足会のニュースを読んで、
ああ、藤丸さんはもしかしたら大阪の坂本龍馬なのかも知れないなぁ、と思ったのでした。

以上!

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(今後も「想い」のある造り手がいるワイナリーを訪ねて歩きたいです)