L'exposition de La Rose de Versailles !
「私がほしいのは剣の相手だ」
「妃殿下はただいまここで妃殿下に恋をしている20万人の人々をご覧になっているのでございます」
「フェルゼンの唇が・・・・私を語った」
「貴族とは恥ずかしいものだな」
「たったいまから私は、女伯爵という称号と私に与えられた伯爵領の全てを捨てよう」
「進撃!」
ぎゃ~~~~~~!!オスカルさーーまーーーー!!
あれ?デジャビュ?な~~んてね。
松屋銀座での「ベルばら展」、マダムはタダで手に入れた招待券を握りしめて、鼻息も荒く行ってきたわよ!
入口には大量の花が飾られ、オスカルさまのデカイ看板で期待が高まる。ワクワクと入場する・・・・・・。
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いやぁ、素晴らしかったよ!まさにベルばらファンのための展覧会であった!
会場は三つのフロアに分かれ、まず漫画、続いて宝塚、そしてアニメという展示であった。マダムにとって一番興味深かったのは漫画のみ。なぜなら宝塚もアニメも詳しくないからである。というか、マダムにとっての「ベルばら」は漫画のみであるので、他の媒体物は知りたくないという微妙なファン心理が働いている。
(フランスでオールロケ、出演者もフランス人という、ジャック・ドゥミ監督の大コケしたベルばら映画は見てみたい)
漫画フロアでは、いくつもあるクライマックスシーンの生原稿が展示されており、順繰りに読みながらマダムは涙をこらえていた。生原稿に感激したワケではない。ベルばらを読むと、マダムはいつも泣いてしまうのである。あまりにも素晴らしすぎて。
ベルばらは、いつ読んでも何度読んでも、本当に飽きることがない。そして、いつだって新鮮な感動を覚えるんだ。
ベルばらは、フランス革命という歴史上最も重要な革命を描いた漫画である。人物はほぼノンフィクション、当時の事件や生活風俗を忠実に取り入れ、歴史が転換する瞬間のダイナミズムを見事に描き切っている。当時の新聞の挿絵を参考にしたコマもある。
(ベルナール・シャトレ演説シーン参考はこちら )
しかし歴史上の人物だけでは、歴史物語以上の奥行きにはならないだろう。そこでオスカルという架空の人物が、狂言回し的人物として配置されたのである。最初は控えめだったオスカルの立ち位置は、物語が進むにつれ準主役から主役へとシフトし、とうとう革命では民衆とともにバスティーユを襲撃、劇的な最後を遂げる。
漫画の中でオスカルは、剣の練習をし、王家付の近衛連隊へ入り、秘める恋に悩む王妃を守り、オスカル自身も恋をし、恋に破れ、様々な階級のひとたちと出会い、同時に階級を疑い、貴族ではない男からの愛を受け入れ、自らの道を自ら選択し、そして死んでいった。
悩みながら成長するオスカルを、最後まで見届けることが出来た我々は幸福である。
さてマダムはオスカルが一番好きだが、オスカルと人気を二分するもうひとりの主人公が、マリー・アントワネットである。日本におけるマリー・アントワネット人気は根強く、ベルばらがアントワネット人気に貢献していることは疑いようがない。
ベルばらのアントワネットは、王妃でありながら外国の貴族に恋焦がれ、ひとりの女性として思い悩むシチュエーションが、多くの乙女の心に響いたと思われる。
また、最初は初々しいだけだった王太子妃が、宮廷内でさまざまな経験を積み、王妃あるいは母としての責任を自覚するに従い、徐々に強い女へ変貌してゆくさまは圧巻である。
しかしベルばらで一番驚くべきは、ベルばらが連載開始したとき、池田理代子氏はたった24歳に過ぎなかったということだ!
氏は高校のころにツヴァイクの「マリー・アントワネット」を読まれ、いつか漫画に描きたいな~と思われていたらしいが、それにしても早熟である。
だって自分が高校生だったころを思い出してごらんよ?ツヴァイクなんて読んでた?マダムは寺山にハマってた。
それでは展覧会最大のお楽しみ、お土産コーナーへ突入!
絵ハガキやクリアファイル、缶入りクッキーといったマストなグッズの他、客層を見込んだグッズもたくさん揃っていた。カップ&ソーサーやプレートといった陶器アイテム、ポーチや巾着といった布アイテム、扇子、などなど・・・。ただし、全体的に高かったぞ!扇子なんて三千円超えしてんだぜ!全然ショボイ扇子なのに・・・。陶器アイテムなんて五千円超えだぜ・・・・。
なんというか、客層を当て込んで値段を決めたって感じ。マダムもそれなりのご年齢だけどさ、オスカルの記念プレートに五千円は無理っす。
マダムは「さあ、撃て!」のコマ(ジェローデル大尉が軍を率いて民衆に銃を向けたときのオスカルのセリフ)がバックプリントされたTシャーツが欲しかったが、色が白しかなかったので購入せず。残念。
でも何も購入せずに帰るのも癪なので、こちらを購入。オスカルのガーゼタオル、クリアファイル2枚、永遠のベルばらガイドブック。この展覧会のオフィシャルブックではないが、こちらの方が面白そうだったので購入。書籍コーナーがあったので、マダムは必死に「ベルばらでフランス語」を探したが、置いてなかった。残念。
オスカルばっかりじゃねえか
ところでベルばらというか、ヨーロッパの歴史モノで目を引くのが煌びやかな衣装である。
そこでだ。どうせなら「ベルばら変身写真館」を企画してみてはどうか。普通の変身写真ではなく、ベルばらに特化した変身写真だ。ファンが殺到するだろうから予約制、衣装はベルばらに描かれたドレスや軍服のみ。
外せないドレスとしては、まずオスカルが一生に一度の女装(?)で着用した詰襟っぽいドレス。どうでもいいが夜会のドレスに詰襟はあり得ない。というか、マナー違反のはずである。ま、こまけーことはいいんだよ!
ロザリーの質素な小花模様のドレスも欲しい。素材はコットン100%でお願いしたい。
そうすると、やはりポリニャック夫人も外せない。ドレスはもちろん、青い花模様のドレスに決まりっしょ!
アントワネットのドレスは何がいいかな。ノミ色のドレスが斬新でいいかな。
更に、荷車に乗せられて処刑場へ赴くときの囚人服はどうだ?撮影はもちろん荷車に乗って!囚人服でも滲み出る育ちの良さと王妃の貫録!ひとは、もっとも過酷な状況に身を置いたとき、そのひとの精神性が如実に現れるという。荷車の上でも気高くあれ!
男装用としてもちろんオスカルの麗しき軍服、スウェーデン貴族フェルゼンは、青と黄のスウェーデン軽竜騎兵の軍服で!ルイ16世・・・・は別にいいか。
そして忘れちゃいけない黒騎士!!こちらは是非、ベルナール版とアンドレ版の2パターン用意していただきたい。どっちも同じだけど。
ついでにロベスピエールとサン・ジュストの超左翼コンビ。サン・ジュストの変身はイケメンしかできません。
ここまできたら、当時のシトワイヤン、シトワイエンヌの衣装も揃えちゃおう!サン・キュロット(半ズボン反対派)が愛用した赤いフリジア帽と長ズボンを身につければ・・・・
さあ!君も今日から革命の同志だ!
・・・・絶対流行ると思うんだけどなあ。ベルばらコスプレ館。
マダムが写真館のやとわれマダムになるから、誰か出資してくれないかなぁ。