12.アイデアを枯れさせるのは、アイデアマンを自称している作家自身の、うぬぼれの心。
  攻撃や批判は、「あなたが何をなすべきか」を教えてくれる、「アイデアの宝庫」。
  失敗作やうまくいかなかったところは、「改善すべきところ」を教えてくれる、「良い先生」。


創造の法―常識を破壊し、新時代を拓く/大川 隆法

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「なかなかそうは思えないもの」の三部作です。(笑)

ここはうまく解説の文章が思いつかなくて、風呂に入っていたところ、インスピレーションが一言。

「感謝だよ」、と。


真のアイデアというのが天上界からもたらされるものだとしたら、アイデアのすべてを自分の手柄にして感謝の心を忘れた時、それを「うぬぼれの心」と言うのでしょう。

攻撃や批判をしてくる相手に対しても、その人たちが「あながた何をなすべきかを教えてくれる」方々だと感謝できたら、単に反発するだけでなく、そうした方々の意見を建設的に生かすことができるでしょう。

自作で失敗したところ、うまくいかなかったところも多々ありますが、それは「どこがまだ足りないか」を教えてくれるとしたら、失敗作に対してさえ感謝できます。


「感謝がなぜ大切か」というと、結局のところ、その人の「世界観」にかかわってくるからだと思っています。

世界には、自分を助けようとしている存在に充ち満ちている、と思っているか、

世界には敵しかいなくて、たよりになるのは自分しかいない、と思っているか、

ということではないかと、思うのです。


感謝ができない人の考えというのは、このようなものになります。

天上界の神々が自分を助けてくれるなんて思えないので、自分が思いついたアイデアは、全部自分の能力によるものだと思ってしまう。
だから、感謝できない。

攻撃や批判をしてくる相手は敵であり、自分を滅ぼそうとしているのだから、そんな相手に感謝なんてするわけがない。

失敗作やうまくいかなかったところは、自分の恥であるばかりでなく、「敵」が自分を攻撃してくる絶好の標的にさえなりかねない。
だからそうしたものは、自分で生んだものでありながら、敵を利するものであり、そんなものに感謝するはずがない。


これではいけない。
これでは悲しい。


感謝ができる人というのは、そうではありません。

天上界の神々は、この私を幸せにしてくれるために、いつもいろんなインスピレーションを与えてくれている。
なかなか気づけないけど、そうしたアイデアに気付いた時には、感謝しよう。

攻撃や批判をしてくる相手というのは、自分では気付かなかった弱点を教えてくれる。
それと同じようなことは、多くの方が意識するしないに関わらず、感じているのだろう。
だから、攻撃や批判をする人達をも満足させる作品が作れたら、言葉を発していないもっと多くの人々をも幸福にしてあげることができる。
嫌われるのを覚悟で、こうした厳しいことを言ってくれる人には、感謝しなくてはいけない。

自分の作品が失敗作だと思ったり、うまくいかないところがわかるのは、それだけ自分が成長したか、あるいは成長する可能性があるからだ。
そのことに気付かせてくれた、過去の作品に感謝しよう。
そして、報恩の形で、次の作品では同じ失敗を繰り返さないようにしよう。


感謝というのを意識的にすることによって、こうした幸福な世界観が少しずつ身についてくるように思いますし、また、こうした幸福な世界観が身についてくると、さらに感謝というのがしやすくなるように思います。

「感謝」と「幸福感」というのが、善のスパイラルとなって、循環しながら発展していくようで、気持ちがいいように感じています。


何となく、作家向けの話ではなくなってしまいましたが、今回はこのへんで。



土佐広



「金の羽根ペンクラブ オンライン作品展」