4.クリエイティブな頭脳に切り替えるには、固定観念を外し、自由な発想で、百でも二百でも考えつくだけアイデアを出し、紙に書く。
  アイデアはまず量を出せば、量が質に変わる。


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この「アイデア出し」は昔から好きで、よくやっています。


個人的にはノートみたいな「罫線」が入った紙は、「罫線」に執らわれて自由な発想ができなくなるので、以前は大型のスケッチブックやクロッキーブックなどの、無地の紙が綴ってある冊子を使ってました。
発想には大きな紙の方がアイデアが次々に拡がってゆく感じがあっていいのですけど、さすがに普段から持ち歩くのは大変。
そこで B5くらいの「計算用紙」とか「お絵かき帳」も使ってみたのですけど、100円ショップで売っている幼児向けのイラストの描いてある「お絵かき帳」は、何度か奇異の目で見られることがあったのでやめました。(笑)


今は、A4のコピー用紙(事務用品店で売ってます。500枚で300円くらい。経済的!)を10枚ほど、クリップボードに挟んで使っています。
これですと鞄に入れて持ち歩けますし、電車や映画館の座席でも書けるので、割と便利です。



書き方は、マインドマップを自己流にアレンジして使っています。
中心に考えるテーマを書いて四角で囲み、その周囲に思いつくまま書いていきます。
さらに、書いたことから派生的に思いついたことを、その周囲に書きます。


マインドマップと違うところは、「枝」を書かないことです。
「枝」は、何となくアイデアの「親」「子」関係がでてしまうのですけど、「このアイデアはどの『子』になるんだろう」と考えることは、かえって発想を抑制してしまう感覚がありますので、こうしています。


出てきたアイデアの中でも、さらに中心となるテーマになりそうなことは、丸で囲んだり、アンダーラインを引いたりしています。
思いつくまま、時には「絶対に実現できないこと」を意識して書いてみることもあります。


中心に書くテーマは、抽象的なことから、具体的なことに移行していってもいいかもしれません。


具体的に紹介しますと、ある日に書いたのは「作品が次々と映画化されるような、ベストセラー作家になるには?」というのをテーマにして、次の日には「次回作のアイデア」、さらに次の日にはテーマとして「仮のタイトル」を書いてみて、思いつくこととか、調べないといけないことなどを書いていきます。


ひとつのテーマについては、一応A4の紙にびっしり書いたら一段落として、まだ書き足りなかったらさらに同じテーマで書いたりしています。
別な日に同じテーマで書いても、出てくるアイデアが全く違ったものになったりするのは、面白いですよね。



ここのポイントは「紙に書く」ということだと思っています。
「夢は、紙に書くと現実になる」という本も読んだことがあり、「あ、これいいじゃん。紙に書いただけで実現するなら、書かなきゃ損」と思ったのが、こういうやり方をはじめたきっかけでもあります。


お正月に「今年一年の誓い」を書いたり、お寺や神社で絵馬に願いを書くのも、それなりに効果があるのでしょうから、「書く」ということは、それだけで、自己実現には大きな力になっているのかもしれません。



実際に「アイデアを、とにかく思いつくままに紙に書く」というのをやってみても、書ける人は何百でも平然と書けるのですけど、書けない人は「うーん」とうなったままでひとつふたつしか書けない、ということもしばしばあります。
まあ作家なんていうのは、何もないところから、原稿用紙で何百枚分も文章を書いてしまうのですから、そういう意味では前者の「平然と書ける」タイプの奇人・変人なのかもしれません。


だたこれも、「訓練によってアイデアの出し方がうまくなる」といいますか、「きちんとしたアイデアでなくても、どんどん書いちゃえる」ようになるので、練習だと思ってやったらいいと思います。



あと、「紙に書く」ことの効果は、「紙に書くと、忘れられる」ということもあります。


アイデアを思いついても、「忘れてはいけない」と思うと、それだけで脳のメモリを使っているというか、精神エネルギーをかなり消費してしまうみたいですので、「紙に書けば忘れてもいいので、思考を他の方面に使える」ということは、あるみたいです。


また逆に、思考はいろんなところにすっ飛んで行きやすいので、「紙に書く」ことによって、ひとつの枠組みから逸脱しない範囲で考えを深めることもできるようです。



そんな具合に書きながら、そのまま文章を書き始めてしまい、短編小説にしてしまった、ということも実はあります。
ですからこの教えは、とっても実用的だなあ、と思っています。




土佐広




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