復活!竹島ファンタジー館① | 斎藤栗子BLOG

復活!竹島ファンタジー館①


■10年前の話


まだ学生だった頃、「愛知万博」を見に深夜バスで愛知に行ったことがあります。



お金はないけど体力はあったので、徹夜でバスに乗り、朝から駅前の「なか卯」で時間をつぶし、その後もタクシーなどは使わず、路線バスと徒歩で愛知万博を楽しんでいました。

当時からB級スポット好きだった私は、ついでにB級スポット大国・愛知の魅力を堪能しようと思っていたのだけど、バスと足だけではどうにも広く動きが取れず、宿泊日数も限られていたので、「蒲郡ファンタジー館」という一か所だけに狙いを定めていました。

「蒲郡ファンタジー館」。

ファンタジーと自称するあたりからして、B級スポットの香りがぷんぷんする。




■蒲郡(がまごおり)


蒲郡は、愛知県の中でも南側に位置する海辺の町。

カエルが鳴くあぜ道の脇に南国の木がそびえ立ち、潮の匂いが混ざった湿気のある風や、強い日差しを鮮やかに反射する花や木など、どこか時空の歪んだ東南アジアのような雰囲気の場所です。

「蒲郡ファンタジー館」は、そんな町で海辺で大量に摂れる貝を集め、施設内のあらゆる展示物を貝で作ったという場所。

「貝の博物館」と言えば聞こえはいいのだけど、そこは期待を裏切らない愛知のB級スポット。

お金はあるけどセンスはないおじさま達が、財力を投じてアートをやるとこうなるのだ!という、私たち凡人の悩みを吹き飛ばすような「圧倒と失笑」の施設が誕生するのです。




■蒲郡ファンタジー館



「ロマン」「ファンタジー」「夢の○○」など、B級スポットはメルヘン推しなところが往々にしてあります。

さらに、あけっぴろげな欲望の描写や、極彩の配色をほどこした内装。

一方で、それを照らすのは施設の大きさに見合わない少量の白熱灯。

この、「施設自体のハイテンションとそれに釣り合わない電球の数」というのが、こういったB級スポットをB級たらしめていると思います。

狭く薄暗い通路の両サイドに、妙に陽気な人形やオブジェが立ち並び、「夢の○○」「○○ファンタジー」等とメルヘン感をプッシュされる様は、「薄気味悪さ」の極み。

それは「レトロ」と評するにはあまりにもまっとうで、どちらかと言えば、歪んで停止した時空のすき間から何者かに微笑みかけられているような怪奇さがあります。

この蒲郡ファンタジー館も、そんなB級スポットの多分にもれず、陽気さと暗さの入り混じったアングラスポットでした。



■蒲郡ファンタジー館・閉館


そんな蒲郡ファンタジー館ですが、2010年に残念ながら閉館。




看板のズッコケぶりが哀しすぎる。

閉館の話を風の噂で聞き、私もすっかりここは廃墟になったのだと思い込んでいました。




しかし、…今年2015年のゴールデンウィーク、私は奇跡の再会を果たしてしまったのです!

復活!竹島ファンタジー館②に続く






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