先生あのね。 -48ページ目

旨い

先生あのね。


旨いものを食べた

初めての分野の食べ物を食べた


旨い


旨いじゃないか



いつも

変わったもの手を出せないわたし


定番の

安心の

そんな味にまとまってしまうわたし


チャレンジャーになってみようかな


まだ出会ってない


旨い


のために

と小さく思った

意気投合

先生あのね。


話す


話す


話す


笑う


話す


食べる


話す


こんな関係の人がいる


まだ出会いから

約1年ほどしか経たないが

猛スピードで
意気投合した


元来わたしは


人見知りなうえに、なかなか人に心を開きずらい


どちらかと言うと

馴染みやすいタイプでは…
ないと自分では思っている

ただ

今回はきた

きたきたきた

大ビンゴに違いない


何時間でも話つづけることができる相手だ


価値観がかなり近い

性格は違う

ただ、これがまた面白い働きをしているのだろう

性格が違う分
一つの物事に対して、違う側面が見えてくる


自分には思いつかない世界観や思想が見えてくる


面白い


どんな内容の話であれ

この人に会った後は

充実感がある


こんな出会いは

ありがたい


確かに。


お互いにこのまま


絶妙な距離感で

面白くいきたいものだ

先生あのね。


わたしの父は


無口な方だと思う


仲が悪いわけでは決してないが


どうにも


何だか


変にかまえてしまって


元気?

ありがとう

また来るね


などなかなかたわいもない会話ができない


決して仲が悪いわけではない


ただお互いに


きっかけがつかめない…


とでも言うのだろうか



わたしはこの父との関係は

父はこういう性格なんだ


とだけ考えていた




最近、兄とじっくり話をする機会があった



正直こんなに兄といろいろなことをじっくりゆっくり話したのは初めてだった



昔の思い出


今の自分


今の気持ち


家族とは



親のこと



こんなに普通に真剣に話せたのは


お互いが今の歳になり
兄も父になり
家族ができたからだと思う

とても有意義で貴重な時間に感じた



話の内容が父におよんだ時


孫を抱いている時の笑顔や接し方が


今までに見たことのないような穏やかな笑顔と空気だったよね…と



わたしもまったく同じことを感じていた



わたしたち兄弟にはとても新鮮であり、驚きであり、喜びであった


無償に


うれしかった




話の流れでこんなことを聞いた



『お前は、一時期ものすごく父さんに反発してた時期があったからな~。父さんが何言ってもうるさいって遮断して、飯にも顔出さないで部屋に閉じこもったりして…あの時期くらいから、父さんお前に話かけるの余計に減った気がするもん、まぁ~反抗期だったんだろうな』



わたしは


一瞬返す言葉が見つからなかった


わたしはただ父さんはこういう性格なんだ


としか思っていなかった



何だか情けなく、恥ずかしく、申し訳なく………


さまざまな感情がいっきにからまった



自分の記憶にはこれっぽっちも残ってなかった


反抗期だった


そう言われてしまえば確かに片付くのかもしれない


仕方なかったのも事実かもしれない


しかし


自分は大きく気にも止めずとっていた行動や言葉が


相手にとっては


ずっと心に残ることだった

そんなことをしていたことに


何とも言えない感情があふれてきた



今だから話せる話

今だから話せた話

今だから理解し受けとめられる話


いろんな想いが巡った時間だった


どんなことに対しても


物事をあらゆる側面から見て考えられる人間になりたいと思った


自分の視野だけにとらわれず


それぞれの人の目線になって


そうしたら…

見えてこなかったものが

もっとたくさん見えるんではないか


自分だけではとうてい見えなかったことが


きっと見えてくると思う



知れた


知れたなら


変えられる


変える努力ができるはずだから


うん


きっと、できる