画家だった母方の祖父は、気が向くと祖母に帯を染めていました。
紬地に臙脂・紺・ワイン・焦げ茶・墨黒などで色をさしていった更紗調。
実のところ更紗は好みではないですし、
ロウケツという技法も特に好きでもありません。
が、この色調と大きさがとても好きなのです。
絵が上手い人っていうのは、染めさせても上手いんでしょうかねえ。
私の中では、絵と染色は別物だと思っておりますし、
祖父も筆休めで気まぐれに作ったはずです。
ですが、この帯は身贔屓を差し引いてもあまりある美しさ。
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難点といえば、経年劣化のみです。
もう、溶けちゃいそうなほどに。
洗い張りして取ってありますが、
先の結城にぴったりなことだし、
ここらで付け帯加工して供養することにしました。