時代によって変わる色の使い方 | キモノ色+色(いろといろ)

キモノ色+色(いろといろ)

もっときものを楽しみたい、カラーコンサルタント・ノグチサチコの「きものカラーコーディネート」のコツ

きものカラーコーディネーター協会の能口祥子です。


昨日はお誘い頂いて、金剛流能楽師・宇高竜成さんに
お能の楽しみ方などなど、、お話をお聞きしました。

お話の中で色のことも出てきました。
1つ目は、能面に使う紐の色について。

かなりマニアックなところですね~。


能面を顔に付ける時に使う紐の色は
8色あって、それぞれに意味があるということです。

大きくは五行説の色だそうですが、
赤(朱)・紫(古代紫)・青(縹なはだ)
・黄(朽葉)・浅葱・薄茶・白・黒の8色だとか。

役柄や、頭の色によっても使い分けられているようです。


安定した通るお声がステキ!いつまでも聞いていたいのです。

お顔の角度で表情の表現を使い分けるということです!


もう1つは赤色について。

見せて頂いたのは、
菊・流水・扇などが描かれた紅葉の色、
豪華な秋の柄のお衣装です。


あでやかな赤(朱色)が目を惹きます。
かなり高価なものですね。


古典で日本の赤というと、朱色がよく使われますが、

濃い赤になると、情念・怨念・年いきのイメージになるようです。。



鮮やかな朱色は若さや元気の象徴
深い赤は悲しみが深いや年いったというイメージ。

そういえば、ずいぶん若い時に
きもので濃い赤を着たいと祖母に言ったら
そんな、年いきな、、?
もっと若い色を着なさいと言われたのを思い出しました。





これは、最近特訓中の他装着付け、
きものボディーの名付けて「エミリーちゃん」で練習中の画像です。


今ではきものの色の考え方は、
昔に比べて
自由な時代になってきました。

現代の洋服や、ヨーロッパの色にも慣れた生活の中では、
色の使い方や意味も多様化しています。

日本の古典から学ぶ色の意味は奥深く魅力的です。
そこから見える歴史や、人々の息づかいが聞こえます。
知れば知るほど面白いです。

現代のマーケティングを考えた色もまたしかり。

色は奥深く時代の鏡だと思うばかりです。