陸上の世界選手権最終日は23日、ベルリンで行われ、男子やり投げ決勝の村上幸史スズキ)が2投目に82メートル97を投げ、銅メダルを獲得した。

 日本選手の過去最高順位は、87年ローマ大会での溝口和洋の6位で、メダル獲得は初の快挙。投てき競技でのメダル獲得は、2001年銀、03年銅の男子ハンマー投げ室伏広治ミズノ)以来2人目。

 優勝は89メートル59を投げた、五輪2連覇中のアンドレアス・トルキルドセンノルウェー)。

(2009年8月24日00時50分 読売新聞
------------------------------------------------------------------------ 陸上・世界選手権最終日(23日、ベルリン)男子やり投げ村上幸史スズキ)が2投目に82メートル97をマークし、銅メダルを獲得した。同種目で日本選手のメダルは五輪、世界選手権を通じて初めて。
日本の投てき史に新たな1ページを加える1投だった。男子やり投げ決勝。各選手が風に苦しむ中、29歳の第一人者、村上の2投目は低い軌道で伸びて82メートル97をマーク。「今は狙った試合で結果を出せる。世界を驚かせる」と宣言した通り、銅メダルを獲得して世界の仲間入りを果たした。

 1メートル85、90キロの恵まれた体格で日本選手権は10連覇中。今季は背筋と腰回りの筋力をパワーアップした成果で「楽に投げられるようになった」とフォームに力みが消え、5年ぶりに出た80メートル台を連発してきた。五輪、世界選手権を通じて吉田雅美、溝口和洋らが立てなかった表彰台に、日本選手で初めて立った。

 愛媛県の離島、生名村(現・上島町)出身で、中学まででは野球部投手。全国の強豪校からスカウトされるほどの実力だったが、当時の体育教師がやり投げの元高校王者だった縁で愛媛・今治明徳高からやり投げの世界に飛び込んだ。国旗を背に大歓声に応え「今は陸上をやっていて幸せに思う」と喜びに浸った。サンスポより