世界卓球:日本女子、ハンガリー降してメダル確定 団体戦



球の世界選手権団体戦第5日は28日、当地で女子の準々決勝があり、世界ランキング4位の日本は3-0で同7位のハンガリーを降して、ベスト4進出を決めた。3位決定戦がないため4大会連続のメダルが確定した。日本は1番手の福原愛(ANA)がフルゲームの接戦に苦しんだが、2番手の平野早矢香(ミキハウス)はストレート勝ち。3番手の福岡春菜(中国電力)も続いた。日本は29日の準決勝で世界2位のシンガポールに挑む。


 男子は1次リーグの最終戦があり、C組の日本は3-1でセルビアを降して、5戦全勝で終えた。29日の準々決勝は台湾と顔を合わせる。

 ▽日本女子・近藤欽司監督 メダルは絶対に取りたいと思っていたので肩の荷が一つ下りた。福原は試合の組み立ても工夫しており、これからにつながる試合だった。平野も心技体が充実している。少しでも上のメダルを獲得できるようにベストを尽くして頑張りたい。


 ▽平野 競った場面でいいプレーができた。前回の06年大会はベンチで見ていたけど、この試合に出られて幸せだと思った。準決勝もチームとして一丸になって戦いたい。

 ▽福岡 前回はベスト4でもうれしいと思ったが、後から考えると悔しくなった。相手と力はきっ抗しているので、最後まで攻めた人が勝つ。日本らしい戦い方をした。


 ◇福原が強気で押し切り、試合の流れ呼ぶ

 あっけないと思えるほど順調な試合運びで、日本女子が4大会連続メダルを決めた。1番手から3番手と進むにつれて勢いがつき、最後はハンガリーが戦意を喪失した。勢いが大切な団体戦でそれぞれが役割をきちんと果たし、近藤欽司監督も「選手が団結して心の中でつながっている」と目を細めた。

 まず1番手の福原。1次リーグは4勝2敗と波に乗れず、この日も1-2と追い込まれる展開になって「体の調子より精神の方が大切と気づいた」。追いついたあとの最終ゲームは際どいコースを突く強気の攻めで押し切り「ほっとしました」と話し、これまでの暗い表情を一変させた。


 その流れを受けた2番手の平野はテンポ良く攻めて最終ゲームは11点を連取。9戦全勝と奮闘して「次も向かっていきたい」と気持ちが乗っている。そして3番手の福岡。持ち味だった変幻自在のサーブが1次リーグは決まらなかったが「思い切ってやって『あとはラケットに聞いてくれ』という気持ちだった」と開き直った。この試合では、面白いようにサービスエースで得点を重ねた。

 準決勝のシンガポール戦では、83年東京大会以来の決勝進出を目指す。ここに来て全員の歯車がかみ合ってきたのは好材料である。「日本の方が団結力は上。そこで勝負したい」と福原。チーム一丸となって25年ぶりの快挙に挑む。


 ○…すでに準々決勝進出を決めていた男子は水谷隼(青森山田高)らを休養させ、岸川聖也(スヴェンソン)と大矢英俊(青森大)の若手を今大会で初めて送り出した。3番手の大矢は敗れたが、1番手と4番手を務めた岸川は2勝。大会前までドイツ・ブンデスリーガでプレーしていたため時差調整の必要があったが、「いい試合ができたので自信になった」と感触をつかんだ様子。準々決勝に向けて宮崎義仁監督も「4人目の強い選手を抱えることができた」と話した。