どさ、ゆさ -2ページ目

中山平温泉 名湯秘湯うなぎ湯の宿琢琇

http://www.takuhide.co.jp/
宮城県大崎市鳴子温泉星沼20-9
電話番号:0229-87-2216

■泉質:優
■設備:優
■料金:良
■雰囲気:優
■露天:有
■総合:10

$どさ、ゆさ

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↑露天風呂の入口にあった性神様

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 かつて中山平のしんとろ湯に入り、あのとろとろしたお湯にもう一度入りたくなってここを訪れた。露天風呂である鶴亀の湯、長生の湯、そして奥まったところに石橋・芍薬の湯がある。残念ながら長生の湯の外にある大浴場は東日本大震災の影響で封鎖中らしい。
 しんとろの湯は白く濁った湯だったが、こちらは緑褐色透明の湯。足を踏み入れてびっくりした、このヌルヌル感は半端じゃない! うなぎ湯の名の通り、お湯がヌプヌプしているのである。それもそのはず、露天風呂である鶴亀の湯はなんとpH9.4の強アルカリ泉で、お湯に浸かっただけでこれはすごいと思わず独り言を漏らしてしまった。長生の湯は泉質が異なるがこちらのヌルヌル感も伊達ではない。お湯に入るだけでびっくりできる名湯、オススメである。

日帰り受付
1000円、無休(10時半~18時、途中清掃時間有)

アクセス
JR陸羽東線中山平温泉駅から徒歩20分ほど

肘折温泉 上の湯

山形県最上郡大蔵村大字南山字肘折

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■泉質:優
■設備:可
■料金:優
■雰囲気:優
■露天:無
■総合:10

 かつて肘の折れた老僧を入浴させるだけでたちまち治してしまったという伝説の名湯である。すぐ隣の旅館は灰色に濁った湯だったのでこちらも濁り湯かと思いきや、無色透明の澄んだとてもきれいな泉質だった。かなりお湯が新鮮なのだろう。公衆浴場としてはきっとぬるめに分類されるのであろう、さっぱりとした浴後感を満喫できる。肘折を訪れた際はぜひともお勧めしたい。なお、旅館に宿泊した場合はこちらの無料券がもらえる。

アクセス
新庄駅から山交バス利用、終点下車徒歩すぐ

日帰り受付
200円、無休(8時~18時)

肘折温泉 西本屋旅館

http://nishimotoya.com/
山形県最上郡大蔵村大字南山522番地
0233-76-2316

■泉質:優
■設備:良
■料金:良
■雰囲気:優
■露天:無
■総合:10

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$どさ、ゆさ

 山形県最上郡は日本でも有数の豪雪地帯である。大蔵村は新庄からバスに揺られて山奥にひっそりと存在する小さな村である。新庄駅の土産物屋のおばちゃんからあそこの雪はものすごいと噂を聞いていたが、バスで山道を走っていると都心では桜が咲いている季節なのに両脇には5mを超える雪の塊が存在していた。さながら立山アルペンルートのようである。雪以外なにも見えない風景を見つつ、これで本当に温泉郷へたどり着くのか不安になった。肘折では除雪能力を競う「地面出し競争」なるイベントが開催されるほどものすごい雪なのである。
 やがてバスは九十九折の坂道を駆け下りていった。この道路、夜間は雪崩のおそれがあるので閉鎖されてしまうらしい。眼下には手のひらで包めそうな寒村が見えてきた。これが1200年の歴史を持つ湯治場、肘折温泉郷である。
 バスは温泉街の中心を走っていく。土産物屋や風情ある旅館が軒を連ねる小さな道をバスがすれすれで走っていくのだ。これは見応えがある。途中停留所の名前も「第二停留所」という名前で面白い。公衆浴場の上の湯前を過ぎるとやがて肘折折返場に到着した。
 乗客は僕を含めて二人だった。旅館の若旦那がわざわざバス停まで出迎えてくれた。凛々しい好青年である。宿のスタッフも僕を快く出迎えてくれた。一通り浴場の位置を教えてもらい、宿泊する部屋に通してもらった。湯治プランなのでアメニティー類は一切ついていない。部屋の片隅に灯油ストーブがあり、部屋は暖かく保たれていた。これを切ってしまうと30分ほどですぐに寒くなってしまう。4月とはいえ、宿のすぐそこまで雪が迫っている状況なのだから仕方がない。
 山形新幹線の終点である新庄駅からバスでたっぷり1時間、片道1210円。ひいき目に見てもアクセスの悪いこんな場所までやってきた目的は、お湯の泉質である。かつて肘を折ってしまった老僧がここの湯に浸かったところたちまち治ってしまったという言い伝えからこの肘折の名が伝わっている。全ての旅館が源泉かけ流しを標榜し、ナトリウムー塩化物泉およびナトリウムー炭酸水素塩泉というさまざまな効能を有する自慢の泉質を誇っている。医者がどんな町にもいるような現代と違い、大病を患った者は病院へ行かずこのような湯治場に集い、二、三週間ほど温泉療養しつつ身体を直していくのだ。この治療スタイルは決して時代遅れなものではなく、さまざまなストレスによりうつ病やその他の症状を抱える現代日本人にとって最適な療養手段だと僕は考えている。2週間くらい会社を休んでこういう場所へ気軽に来られるような余裕があればいいのだけれども。
 部屋のすぐ隣には台所や冷蔵庫があり、自分で食材を買ってきてペンで名前を書いておき、好きな時間に調理して食べることができる。自分は食事付のプランにしたけれども、夏の朝は朝市も開かれるので好きな食材を調達しながら自炊するのもいいかもしれない。
 自分が今回宿泊したのは西本屋旅館という上の湯から近い宿だ。金魚湯と岩風呂の構成で、時間帯によって男女が入れ替わる。それぞれ異なる源泉を用いていて、金魚湯は保温効果が強く、岩風呂はさっぱりとした感覚を与えるらしい。
 さっそく金魚湯に入ってみた。写真を見てもらえればお分かりいただけるだろう、浴槽がガラスで区切られていて向こう側に金魚が泳いでいるのである。実際に温泉浴槽の中を金魚が泳いでいるわけではない。金魚たちは活発に泳ぎ回っているわけではなく、じーっと遠くを見つめながら水の中に浮かんでいた。ひょっとしたら死んでいるのかもしれないと一瞬思ったが、鰓の周辺はちゃんと動いている。このような恰好で湯治してくださいという金魚たちによる指南かもしれない。
 お湯をばしゃんと叩いてみると、しゅわしゅわと音がして気泡が浮かんできた。これが炭酸泉の証拠である。炭酸泉は血流を良くし、肩こり、腰痛、筋肉痛などに絶大な効果を上げる泉質である。都心ではこの効能を体感させるために人工的に炭酸を発生させて人工炭酸泉を設けているスーパー銭湯が数多くあるが、やはり天然の炭酸泉はありがたい。東鳴子温泉にも「ラムネ湯」というものがあったが、なかなか天然の炭酸泉にはお目にかかれないので貴重である。なお、同じく肘折にあるカルデラ温泉館がラムネ湯を標榜しており、秘湯として有名な石抱温泉は泡がすごくて石を抱いて入るところから名づけられた。ゑびす屋が野湯として開放しているもので、肘折のさらに奥に存在する。
 やや灰色に濁った湯はしっかりと温泉の香りが漂い、湯の華もちらりと浮かんでいた。最高の入浴体験である。お湯に浸かると旅の疲れも吹き飛んでしまう。時間と交通費をかけてでも入りたい温泉がここにあった。
 入浴後、午後6時頃に部屋へ夕食がやってきた。これでも遅めの時間らしい。湯治場の夜は早く、朝も早いのだ。奇を衒わない、まるでおばあちゃんの家に行ったときに振る舞われるような味噌汁とご飯メインの夕食である。鮭の隣に据えられていたふきのとうの味噌漬けがとても美味しくてご飯が進んだ。いわゆる巷の高級旅館に比べると質素な印象は受けるけれども、いざ食べてみると十分お腹がいっぱいになるとてもいい夕食だった。季節の郷土料理が織り込まれていて決して悪くない。
 岩風呂にも入浴してみた。こちらは金魚湯よりも肌にしっとりとくる泉質だった。岩の配置がなかなか見事である。析出物が溢れてオレンジ色に変色している床も風情がある。
 こうして肘折温泉西本屋旅館の夜は更けていった。旅館の人は皆親切でこちらの心も洗われるほどだった。今もなお、昔ながらの湯治を保ちつつけている努力に感謝したい。僕が理想としている最高の湯治場のひとつだった。またぜひ訪れたい宿である。

日帰り受付
300円、無休(時間要問合せ)

アクセス
新庄駅より山交バス利用、終点下車すぐ

鶴巻温泉 大和旅館

http://www.yamato-ryokan.com/index.html
神奈川県秦野市鶴巻北2-7-7
電話番号:0463-77-1222

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■泉質:良
■設備:良
■料金:良
■雰囲気:良
■露天:無
■総合:6

 鶴巻温泉へ行ってぶらっと立ち寄った温泉宿であるが、あとで調べてみるとコンパニオンで一押ししている施設らしい。たしかに、都心からのアクセスは抜群なのでそういう需要はあるかもしれない。大浴場に無色透明の湯が満ち満ちており、源泉かけ流しではないが豊富な湯量を実感できた。鶴巻温泉はカルシウムの多い温泉として有名だが、ここはあまりお湯の苦みは感じられず、かわりに肌にぬるぬる来る感触が少しだけあった。すぐ隣の弘法の里湯とは結構違う湯みたいである。

日帰り受付
1000円、無休(時間要確認)

アクセス

岩婦温泉 岩婦館

千葉県安房郡富山町高崎584
電話番号:0470-57-2836

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■泉質:優
■設備:可
■料金:良
■雰囲気:良
■露天:無
■総合:8

 岩井駅でレンタサイクルを借りることができたので自転車でアクセスした。田んぼのあぜ道をひたすら走り、少しだけ山を登っていくと湖畔が見えてくる。その畔、道のどんづまりにあるのがこの岩婦館だ。田舎の何もないところにぽつんとある旅館だが、日曜日に訪れたせいか何台かの車が泊まっていた。やはり人気施設らしい。自分が訪れたときは浴室が混雑しており、体を洗ってから浴槽に入るまでやや待つ状態が続いたが、やがてみんなあがっていって自分一人となった。お湯は硫黄の香りが漂う良質の湯である。岩風呂が狭くて3人ほどしか入れないのが難点ではあるが、平日の空いている時間帯を選んで尋ねれば最高の入浴体験ができるに違いない。

日帰り受付
700円、無休(9時~16時)

アクセス
JR内房線岩井駅から徒歩30分ほど

新戸倉温泉 万葉超音波温泉

http://www.manyoonsen.com/
長野県千曲市磯部新戸倉1125
電話番号:0262-75-2228

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■泉質:優
■設備:良
■料金:良
■雰囲気:優
■露天:無
■総合:8

超音波温泉なんて名前なのでどれだけ電波な施設なのだろうかと期待していったら、いわゆる老舗の共同浴場であった。浴室には奥から激熱・熱め・普通の3段階の温度の湯があり、それぞれ源泉かけ流しである。超音波温泉とは炭酸泉のことなのか何か特殊なのことなのか最後までよくわからなかったが、緑色の透明な湯には白い湯の華も浮いており、なかなか秀逸な共同浴場であった。一番奥の浴槽は相当熱いが、飲泉も可能でコップも置かれている。

日帰り受付
300円、第2・4月曜日休(4時~22時半)

アクセス
しなの鉄道戸倉駅から徒歩20分

新戸倉温泉 戸倉観世温泉

長野県千曲市磯部新戸倉1097
電話番号:0262-75-0350

■泉質:優
■設備:優
■料金:良
■雰囲気:優
■露天:無
■総合:9

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 完全無垢の源泉かけ流しを標榜している温泉施設。戸倉駅からは案外距離もあり、バスは肝心の日曜日に走っていないというちょっと憂慮すべき交通事情だが、往復40分駅から歩いていく価値は十分ある施設だと思う。
 大浴場にはエメラルドグリーンの美しいお湯がドバドバとかけ流されており、これが硫黄のかぐわしい香りの漂う素晴らしい湯なのである。源泉温度44度の大きい浴槽とは別に小さい檜風呂があり、こちらには大浴場と異なる41度の3号泉がかけ流されている。これがまたまろやかで素晴らしい泉質だ。pHもこちらの小浴場の方が少しだけ高いらしく、肌がすべすべになる。こちらの浴場はカランも温泉であり、300円でこれを楽しめてしまうのはさすが信州である。

日帰り受付
300円、第1・3月曜日休(5時~22時)

アクセス
しなの鉄道戸倉駅から徒歩20分

上諏訪温泉 衣温泉

長野県諏訪市小和田南3-18

■泉質:優
■設備:可
■料金:優
■雰囲気:可
■露天:無
■総合:9

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上諏訪の歓楽街を抜け、住宅街と川の畔にひっそりとたたずむ個人経営の共同浴場である。営業開始時間ちょっと前に訪れたのだが、管理人のおじさんは快く受け入れてくれた。とてもいい人である。というわけで一番湯を楽しむことができた。お湯は無色透明でほんのりと硫黄の香りが漂う。飲泉もできるすっきりとした湯で、かなり秀逸な共同浴場と言えよう。

日帰り受付
200円、木曜日休(7時~20時半)

アクセス
JR中央本線上諏訪駅から徒歩9分ほど

上諏訪温泉 諏訪シティホテル成田屋

http://www4.plala.or.jp/naritaya/
長野県諏訪市大手1-14-5
電話番号:0266-52-4500

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■泉質:優
■設備:良
■料金:良
■雰囲気:良
■露天:無
■総合:8

 上諏訪駅のすぐ近くにあるビジネスホテル。こちらの7階に展望大浴場があり、露天風呂はないものの、上諏訪駅や諏訪湖を眼下に見下ろせる迫力ある景色を堪能しながら源泉かけ流しの湯に浸ることができる。ビジネスホテルで源泉かけ流しの良質な湯に入れる機会もなかなか貴重である。ホテルの部屋も非常に快適で、素晴らしい一夜を過ごすことができた。

日帰り受付
なし

アクセス
JR中央本線上諏訪駅徒歩2分

上諏訪温泉 片倉館

http://www.katakurakan.or.jp/
長野県諏訪市湖岸通り4-1-9
電話番号:0266-52-0604

$どさ、ゆさ

■泉質:優
■設備:優
■料金:良
■雰囲気:優
■露天:無
■総合:9

 昭和3年に建設された片倉館はもともと絹製品の製造で「シルクエンペラー」とまで呼ばれた片倉財閥によってつくられた絢爛豪華たる洋風建築である。なんでも、チェコスロバキアのカルルスバードを参考にしたとか。見た目は温泉というよりも瀟洒な洋館であり、浴室に入るとその広さに驚かされる。底が石詰めになっている千人風呂は浴槽内で立てるほど広々としており、豪快にお湯が溢れている。実はこの隣、ちょっと発見しづらい扉を開けると小さめのジャグジー風呂があり、こっちは天然温泉かけ流しとのこと。こちらの湯に入ってみると独特の感触がある確かな温泉を感じることができた。香りもとてもいい。気分はヨーロッパの皇帝が一日の疲れをいやすテルメのようだ。上諏訪でこれを体感できるとは思わなかった。オススメである。

日帰り受付
600円、第2‣4火曜日休(10時~21時)

アクセス
JR中央本線上諏訪駅から徒歩10分ほど