「やめろ!
なぜこいつ日本語をしゃべるんだ! 畜生!」
戦記漫画でお馴染みの小林源文氏の作品である。
BATTLEOVER 北海道とタイトル作品であるサムライソルジャーが収録されている本です。
購入した後に気づいたことだけどこの本は再収録本で、内容は前者が9割、後者が1割と
ちょっとタイトル詐欺を感じる内容、調べてみるとBATTLEOVER北海道の初収録本のほうには番外編も付いているとのことなので
BATTLEOVER北海道を読みたい人はそっちを買うといいでしょう。
【感想】 注意 ネタバレ
BATTLE OVER 北海道
バトルオーバー
それはさておき作品内容はタイトル通り北海道が戦場となります。
自衛隊vsソ連軍で時々コミカルながらも、地獄の戦場模様が書かれており
当時、一番の仮想敵であったソ連軍の侵攻を想定していた自衛隊の恐怖、その片鱗を味わえます。
空軍の襲撃によってすり減らされるも、ソ連と泥沼の殴り合いを続ける陸自、
航空戦力の波状攻撃によって制空権を維持するのに疲労困憊の空自、赤軍の補給路を叩く海自。
必死の戦いがこれもかというほど詰め込まれており、迫力満点。
90式も、74式も、F15も、地味でありながらも大活躍な88式地対艦誘導弾も、空挺団だって出てきます。
キャラクターも活き活きしていて、心に残ります。
陸自の戦車乗組員に本州からの増派部隊員、空自のパイロットの塩飽、
そして名もない一般兵士に、ソ連軍の兵士たち、みんな戦って、戦って、死にます。
冒頭の台詞は、特に胸に来る台詞で、これを言った自衛隊員も俺も曇りました。
ですが源文先生特有のギャグや味のある台詞が程よく入っており、決して重いというだけではありません。
お馴染みの苦労人の統幕議長や、今回は優秀な中村も出ており通して読んでいるとニヤッと出来ます。
ちなみに
某画像掲示板で程々の知名度がある
例の
「たまげた! すごい中古だ あきれた」
「74式改リアクティブアーマー付き 戦死確実だ」
「軍隊のことわざで優れた兵士は優れた兵器に勝るって言うぜ
だけどテクノロジーだよな」
はこれが元ネタだったようです。
身も蓋もない台詞だけど、同意しちゃいますね。
まあこの後、ソ連の最新戦車に根性で勝っちゃいますが。