同じことを先日、行っていました。

現在放映中のペットボトル緑茶
「綾鷹」(日本コカコーラ)のCMと。

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ブラインド(目隠し)テストです。

ブランド名を隠して、どれがおいしいか。先入観なしで選ぶ。
利き酒の理屈と一緒です。

おーいお茶、伊右衛門に後塵を拝すブランドが、
急須で入れたような"味わい"を武器に追撃するこの仕掛け。

そのルーツといってもいい事例が…

ペプシコーラのペプシチャレンジです。
(日本でもかつて行っていましたね)

ブランド力では劣勢の後発メーカーが、
リーダーに立ち向かう手法のひとつです。

さて、企画の学校で取り上げたのは…
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ポテトチップスです。

すぐ連想されるブランドは
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カルビー!

市場のリーディングブランドとPBを比べて、
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どちらがおいしいと思うか、という実験を行いました。

この実験の狙いは…
●ポテチ通でもない限り、名前を隠しては識別できない。
●それでもカルビーは小売の値引き幅が少ない。
●理由は"味"だけではないブランド資産が築かれているから。

で、結果はどうだったかというと(再現しますね)、
Aがカルビーで、BがPBブランド。
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4票対5票で、狙い通りの実験結果が得られました。


つまり、多くの人が「おいしい」と答えたペプシが
コカコーラのシェアを抜くことができなかったように、
"味"だけではブランド優位を築くことができない。

しかし、この実験、
この後、気持ちよく仮説が裏切られます。


実は
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開封して、2時間たっていたことが判明。

そして、もう一度、開封したてのポテチで仕切りなおします。

結果はどうなったか。
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満票。
参加者全員がカルビーを「おいしい」と回答しました。

そこに何があったのか。

おそらくその答えは…
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「鮮度」です。

新鮮なビールであれば、そのうまさがわかるけれど、
開詮して2時間たったビールでは、うまさは図れない。

開封したての最高のおいしさを真空パックにこめて。
カルビーブランドの強さを感じた瞬間です。

ここからが重要なところですが、
カルビーの営業マンには早くからノルマが外されていること、
ご存知でしたか。

ノルマがあると、より多く買ってもらおうと、
小売店に押し込み、在庫がたまる。
在庫がたまれば、製造日の古いチップスが店頭に並ぶ。
それを買った消費者はどう思うだろうか。

今日、再現に使ったポテトチップスは
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製造してから約1週間。
賞味期限もPBブランドより1ヶ月近くも短い。

店頭での「陳列鮮度」を保ち、
いつでもおいしいチップスを味わってもらうことで
競争優位を発揮する。

ノルマを捨てた結果、ファンに選ばれ、
プレミアム価格をキープ(それでも小売の攻勢はきつい)。

CMや認知だけではない
こうした取り組みがカルビーを強くする。

意外な結果が、強いブランドはどうあるべきか。
その理解を深めてくれました。


さて、懐かしいCMをもうひとつ。

ブラインドテストではないけれど、
風雲たけし城とかの時代の名作です。