日本機関車論から財布論への変遷 | 真田清秋のブログ

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 日米関係は、日本にとって、世界の中でも最重要な二国間関係であることは、戦後の米ソの冷戦時代を通じて、歴史が証明しているが、果たして永遠に継続するかどうかは、誰にも解らないのではないでしょうか?


 「英国には永遠の友も永遠の敵もいない。あるのは国益だけだ」(英国首相パーマストン)、

「国家に真の友人はいない」(キッシンジャー)、

「隣国を援助する国は滅びる」(マキャベリ)、

「わが国以外は仮想敵国だ」(チャーチル)、

「政権は銃口から生まれる」(毛沢東)、「共産党が政権をとれたのは日本のおかげ」(毛沢東)、

「私に地図を見せよ、その国がどのような政策をとるか言い当てて見せる」(ナポレオン)


 これらの言葉は現実に国際社会の中で凌ぎを削る様々な戦いを推し進めた政治家や名評論家と言われた人たちの言葉です。


 振り返って日本対するアメリカの政策の変遷を京都大学大学院教授の藤井聡氏(今年から内閣官房参与に任命)が、昨年11月に出版された「維新・改革の正体」と言う著書です。


 内容は、日本の高度成長を成し遂げる源泉となった、経済軽量モデルを作成し、その実現に中心的に携わった御三人の方々をインタビューして、わが国と米国の政策が如何に変遷して行ったかを生々しく再現されています。


 御三人の方々は、、下河辺淳氏、宍戸駿太郎氏、小里貞利氏です。


以下引用:

 『アメリカの公式文書にも明記されている、このアメリカの「日本機関車論」とは、次のようなものだ。

 アメリカには、1973年の第一次石油危機後の世界不況を克服するためには、アメリカと共に日本と西ドイツが「牽引車」になるべきだという考え方があった。つまり世界不況下で各国の消費や投資が縮小し、世界経済が停滞した中、先進経済大国であるアメリカ、日本、ドイツが連携しながら、国内の需要(消費や投資)を拡大し、それを通して世界不況を克服しようとしたのである。それは日米独が連携しながら、世界経済を成長させようではないか、という壮大な構想があった。

 言うまでもないが、不況下でそれぞれが「機関車」になるためには、政府による財政出動、公共投資、すなわち「次世代投資」の拡大が是が非でも必要となる。なぜなら、「内需拡大」を意図する政府にとって、最も効果的に内需を拡大させる方法は、政府自らが、「オカネ」を使うことに他ならないからだ。』


 これに対してドイツは拒否、何故なら、ただでさえオイルショックでインフレ気味なのに、これ以上は無理ということです。

 日本は福田内閣がしぶしぶ同意し、アメリカの要求の「430兆円の公共投資」を確約します。


 「日本財布論」の出現 以下引用:


『しかし、この430兆円の公共投資に確約を導いた日米構造協議におけるアメリカの圧力は、ただ単に「日本機関車論」の発想に基づくものではなかった。そこには明確に、日本経済をアメリカの「財布」として活用しようじゃないか、という発想、すなわち「日本財布論」が色濃く見られたのである。

 その典型的な対日圧力項目が、(1990年代中盤から進められた金融ビックバンに代表される)「金融の自由化」であった。』


 日本人はアメリカ人と違いせっせせっせと貯金する、その結果、銀行に「過剰貯蓄」が積み上がり、その莫大な金融資産には、「障壁」がある以上手が出せない。だから、「障壁」を取っ払うことが出来る、それが金融自由化である、ということです。


 皆様、如何でしょうか?この視点でTPPを見れば、アメリカが日本の市場を食い物にする為に「例外の無い関税」だけではなく。「非関税障壁」という、日本の習慣や法律をアメリカ型に全て変えて、経済属国にしよう、というアメリカの意図が明白でしょう。


 そんなアメリカの言いなりにならない為には、政治家だけに任せるのではなく、日本国民が真の日本人になるチャンスが今なんです★


 それでは、皆様、ご機嫌用★