徳は結果として財をもたらす本である・西郷隆盛 | 真田清秋のブログ

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 内村鑑三の「代表的日本人」からです。


『「生財」と題された西郷の文章の一部を引いておきます。』


『「左伝」にこう書かれてる。徳は結果として財をもたらす本である。徳が多ければ、財はそれにしたがって生じる。徳が少なければ、同じように財もへる。財は国土をうるおし、国民に安らぎを与えることにより生じるものだからである。小人は自分を利するを目的とする。君子は民を利するを目的とする。前者は利己をはかってほろびる。後者は公の精神に立って栄える。生き方しだいで、盛衰、貧富、興亡、生死がある。用心すべきではないか。』

 

日本人は本来、正直な嘘が嫌いな民族だと思います。

古語にも、「正直者の頭(こうべ)に神やどる」とあります。

 これは、近代経済学と相反しないのではないでしょうか?何故なら、物を生産したり、運んだり、それを売ったり買ったりの経済活動には、相手を信用するという信用創造がなければ、成立しないからです。もし、それから外れたら、次回から信用されなくなり、商行為は成り立ちません。

 そして道徳観のある相手の立場にたって商行為をする人に人々は信用し、互いのメリットで満足し、永いお付き合いが始まります。

その意味では、この西郷隆盛が引用した「左伝」は人心のあり方と、経済の基盤の信用創造の急所をつき、「徳」の大切さを述べた実践的教訓ではないでしょうか。

 

私自身も、この一節に触れ、心が洗われ感動しました。


そこで、マクロ経済に当てはめれば、日本経済は家計の貯蓄が史上最大の830兆円保有しています。逆に、政府の負債は(国家ではない)1000兆円を超えています。この数字が財務省や政治家の大半、マスコミが問題にしているわけです。

 

ここで心を落ち着けて、その経緯が何故起こったのかを検証しなければ正しい解決法は見出せません。その大元の原因は「バブル崩壊」です。バブル崩壊の原因の主因は、実は、企業の設備投資という健全な投資だけではなく、民間が不動産や株式に投資し、利子率よりも投資で儲かるという身の程知らずの負債をして、不健全な投資をしまくったのです。その中で、何かの圧力で、「不動産総量規制」をして、土地や株の取引に税金をかけた結果、バブル崩壊にいたったのです。

その結果、民間の資産は下落しましたが、積み上げた借金は残り、企業のバランスシートは当然悪化しました。日本の多くの企業が借金返済に奔走し、2010年まで約500兆円の負債を返済しました。この間、ほとんど企業は資本主義経済の肝である設備投資をせず、国家全体はバランスシート不況に陥りました

もし、この時点で、政府までが政府支出を削減すれば、1930年代のアメリカ並みの大恐慌に陥ったはずです。当時の自民党政権は最終消費者として政府の公共投資や政府支出を減らさずに、バブル崩壊後の大恐慌は日本は免れたのです。

しかし、民間企業が設備投資をしないから、名目GDPは横ばいでした。この時点で平成7年(1995)阪神・淡路大震災が勃発し、10兆円の被害が出ましたが、当時の村山政権は、自民党に丸投げして、3兆3800億円の公共投資による財政出動で、二年間で21兆4150億円の、6,3倍の乗数効果で経済規模を拡しました

つまり、震災を「天佑」にしたのです。

しかし、ここで問題が発生しました。バブル崩壊後で始めて名目GDPが実質GDPを超えたため、財務省の主導で、当時の橋本政権は、誤ったバブル崩壊後の「緊縮財政」に突入しました。公共投資の削減、消費税5%アップ、社会保障費の削減などの黒字確保に走ったのです。結果、肝心の「名目GDP」は縮小し、個人消費は13.2%落ち、税収は逆に4兆円減り、98年から深刻なデフレスパイラルに突入しました。原因は、デフレ時にインフレ政策を小渕。麻生政権以外はし続け、特に小泉・竹中政権は、アメリカの壊れた「新自由主義」を導入し、アメリカのバブルで一時的に成長しただけで、ボロが出ました。その後の民主党政権は更にそれを引き継ぎ、97年の名目GDP516兆円から現在、470兆円のマイナス9%の体たらくのままです。

 

結論は、デフレ期には財政出動と金融緩和で「名目GDPの成長路線」に切り替えなければなりません。まして、長期金利が世界最低の今、経済の神様が、「もっと国民からお金を借りて、投資し東日本を官民一体で救いなさい。そうすればデフレ脱却出来ます」というメッセージなんです


つまり「大震災を天佑にする発想が日本経済を救い、世界のデフレ不況も救える」のです★


 それでは、皆様、御機嫌よう★