唐突ですが・・・髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ®)の接種を開始します!


髄膜炎「菌」は、Hib(インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌などと同じように細菌性髄膜炎の病原菌ですが、髄膜炎だけではなく、敗血症などの重症の感染症(IMD:侵襲性髄膜炎菌感染症)を起こす細菌です。


以下、メーカーHPからこっそり抜粋

http://www.imd-vaccine.jp/whatsimd/page2.html

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髄膜炎菌は、咳やくしゃみによってうつり、鼻、のど、気管の粘膜などに感染します。健康な人の鼻やのどの奥(鼻咽頭)にも存在することがあります。しかし体力が低下している時や免疫系の疾患などがある場合には、血液や髄液に菌が侵入し、その結果、菌血症や敗血症、髄膜炎等に至ることがあります。血液や髄液のように本来細菌がいない場所から髄膜炎菌が見つかる感染症をIMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)といいます。
 IMDの初期症状は、発熱、頭痛、嘔吐など、風邪の症状に似ているため、診断が難しく、早期に適切な治療を受けることが難しいとされています。
 髄膜炎菌は細菌性髄膜炎を起こす他の細菌と比べて100倍から1000倍の内毒素を産出するため、症状が急速に進み、治療開始のわずかな遅れが致命的な結果となる場合があります。実際、IMDでは症状が発症してから24-48時間以内に患者の510%が死亡することが報告されています。また、回復した場合でも、約10-20%の割合で難聴、神経障害、四肢切断などの生涯続く後遺症が残ると報告されています。

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ふむふむ、確かにその通り。

髄膜炎といえば乳児のイメージがある?かもしれませんが、菌の種類によって罹患しやすい年齢層が違っており、なぜか髄膜炎「菌」の場合、15才~25才の年齢層にピークがあるのです。(原因ははっきりしませんが、おそらく集団生活が関連しているのではないかとの説)。


そしてワクチン接種がすすめられる人は以下の通りです。

 1. 髄膜炎ベルト地帯を含めた流行地へ渡航する人

  (http://www.imd-vaccine.jp/whatsimd/page4.html

 2. アメリカなどの留学先で、髄膜炎菌ワクチンの接種を要求される人

 3. 学生寮などで集団生活をする予定の人


3.の解釈についてはアメリカでは子供全員に接種をしているわけで、さすがだと思いますね。

ワクチン自体の接種対象は 2才以上、となっておりますが、実際はどの年齢に接種していくべきかは論議されているとこです。任意のワクチンということを考えると、妥当な考えとしては、小学校高学年から高校生/大学生までが対象になると思います。

アメリカでは、1112才に1回 、16才頃に追加接種1回 というスケジュールになっています。

できればアメリカのスケジュールに則り、5年間隔で2回接種したいところですが、国内では追加接種の要否ははっきり示されておりません(現時点では1回でいいのではないかという方向?)。

しばらくは国内では1回接種の方向で実施されていくことになります。


ちょうど2種混合ワクチン(DTワクチン)が標準11才で接種なので、一緒に接種されるとよろしいかと思います。


その値段ですが当院では・・・ 23000円 / 回 


高い!はっきりいって高い!この価格設定は、もともとの卸値に「一定の利益」をうわのせしてるので、元の卸値が高いのです、僕は悪くないんです。

去年製造認可された時から、値段の検討はつけていたんですが、いざ発売されると僕としてはびっくりの値段でした。これは裏事情ですが、このワクチンはごくごく一部の患者さんで保険診療として使用されることが認可されました。保険診療に使われる医薬品は「薬価」がきめられるのですが、卸値などもだいたい「薬価」を基準に決められることが多いです(たとえば、「薬価」の10%引きですね・・とか)

でなぜか今回決定されたメナクトラ®の「薬価」がとても高い。そこは大人の事情というやつなのでしょう。製薬会社も営利企業ですから、営利を追求するのは仕方ないのですが、今回はちょっと発売元の姿勢を疑うというか・・個人的にはこの会社のイメージダウンです。この値段設定では逆に接種率が上がらないということをわかっているのかなと・・・・。


当院では7/1~接種を開始予定ですが、予約後の入荷に1週間くらい時間がかかるので(これも理由はなぞ)、余裕をもってご予約いただけると幸いです。


**********  まとめ  ***********

髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ®

 対象:11才~大学生の年齢

2種混合ワクチン(DTワクチン:標準11才)と同時がおすすめです)

  

おすすめする人:

 1. 髄膜炎ベルト地帯を含めた流行地へ渡航する人

  (http://www.imd-vaccine.jp/whatsimd/page4.html

 2. アメリカなどの留学先で、髄膜炎菌ワクチンの接種を要求される人

 3. 学生寮などで集団生活をする予定の人


 値段: 23000円 (1回接種 筋注)

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