Cell Reports誌、2016年10月11日号より。


ダイエットで脂肪だけでなく筋肉も減ってしまった…という経験のあるヒトは多いのではないでしょうか。

そうならないために高たんぱく食でのダイエットが良いという説もありますが、今回の研究では高たんぱく食ダイエットのデメリットが報告されました。


それはインスリン感受性です。


インスリン感受性が低下すると血糖値のコントロールがうまくいかず糖尿病などのリスクが高まります。

ダイエットをして体重が減ると通常このインスリン感受性が改善し、糖尿病の予防や改善に繋がるのですが、高たんぱく食で減量したヒトは体重が減ってもインスリン感受性が改善しなかったのです。


ダイエットの時でも偏った食生活はNGです。

たんぱく質の摂りすぎは避け、バランスよく低カロリーを目指しましょう♪


【試験概要】

  • 研究デザイン:無作為化比較試験
  • 対象:閉経後の肥満女性。
  • 介入:通常たんぱく量(0.8g/kg体重/日)での低カロリー減量食、高たんぱく(1.2g/kg体重/日)での低カロリー減量食、もしくは体重維持。
  • 研究期間:減量グループは体重の8-10%程度の減量をし体重が3-4週間安定(体重変動2%以内)するまで、体重維持グループは約6ヶ月。

【試験結果】

  • 高たんぱく食で減量したグループでは、筋肉の減量が抑制された。
  • 通常のたんぱく量で減量したグループではインスリン感受性が改善したが、高たんぱくで減量したグループではこの改善が認められなかった。

【論文リンク】

High-Protein Intake during Weight Loss Therapy Eliminates the Weight-Loss-Induced Improvement in Insulin Action in Obese Postmenopausal Women