Diabetologia誌、2016年10月号より。


最近耳にすることが増えた「糖化」にはAGE(終末糖化産物)という物質が関係しています。

AGEは糖とたんぱく質が加熱されてできた物質で、老化や様々な疾患と関わりがあると言われています。

 

AGEが体内に溜まる方法は2通りあり、体内での発生とAGEを含む食品の摂取です。

今回の研究では肥満でメタボな人にAGEの少ない食事を摂らせてみたところ、インスリン抵抗性が改善したと報告されました。

インスリン抵抗性の改善は糖尿病の予防だけでなく他疾患の予防・改善にも関係することが示唆されています。

 

AGEの多い食品(焼き目のついた食品・揚げる/焼く/炒めるなどした動物性脂肪食品など)を避けて糖化予防・老化予防につなげましょう♪

 

【試験概要】

  • 研究デザイン:無作為化比較試験
  • 対象:メタボリックシンドロームを有する肥満者138名
  • 介入:低AGE食、もしくは通常食
  • 試験期間:1年間

【試験結果】

  • 低AGE食を与えられたグループではインスリン抵抗性(HOMA-IRという指標で評価)が有意に改善された。
    • 低AGE食:HOMA-IRが3.1から1.9に有意な改善
    • 通常食:HOMA-IRが2.9から3.6に有意な悪化
  • インスリン抵抗性以外にも、酸化ストレスや炎症が低AGE食では改善し、通常食では悪化した。

【論文リンク】

Oral AGE restriction ameliorates insulin resistance in obese individuals with the metabolic syndrome: a randomised controlled trial