JAMA Internal Medicine誌、2016年9月12日オンライン号より

 

1950年代からの歴史的な書類を遡ってみたところ、食事と冠動脈疾患の研究について砂糖業界が操作していた可能性が報告されました。

 

砂糖と冠動脈疾患リスクの関係は1950年代に示唆されましたが、その後1960年代のレビューで冠動脈疾患の要因は脂質やコレステロールであり砂糖の影響は小さいと報告されています。

しかし今回、このレビューに対してSugar Research Foundationという砂糖関連団体が補助金を出し結果を操作していた可能性が報告されたのです。

 

情報を簡単に鵜呑みにせず、バイアスリスクなどを考慮しながら総合的に判断するというヘルスリテラシーの重要性を痛感するニュースです。

 

【試験概要】

  • 研究デザイン:レビュー
  • 対象:Sugar Research Associationの年次レポートや内部レポート、および食事と冠動脈疾患リスクについて評価した文献で1950-1960年代に発表されたもの

【試験結果】
1965年に
Sugar Research Associationはハーバード大学の研究者たちにお金を支払い、砂糖と冠動脈疾患に関する研究(1967年にNew England Journal of Medicineに発表され、冠動脈疾患の要因が脂質とコレステロールでありショ糖の影響は小さいとしたもの)のスポンサーとなった。

当時の内部資料や歴史的レポートなどを調査した結果、Sugar Research Associationはスポンサーとなることで研究目的の設定、レビュー対象となる研究の提供、発表前の論文ドラフトチェックなどを行っていたことが分かった。

 

【論文リンク】

Sugar Industry and Coronary Heart Disease Research: A Historical Analysis of Internal Industry Documents