Journal of Nutrition誌、2016年7月号より。
日本は長寿国として知られていますが、最近では平均寿命だけでなく「健康寿命」というコンセプトが注目されています。
- 平均寿命(2013年)
- 男性:80.21歳
- 女性:86.61歳
- 健康寿命(2013年)
- 男性:71.19歳
- 女性:74.21歳
「健康寿命」というのは日常生活に制限なく過ごせる期間のことで、平均寿命との差は寝たきり・要介護の期間を意味します。
現状では男女とも平均寿命と健康寿命の間に10歳程度の差がありますが、これを短縮することは大きな課題です。
今回の研究では、そんな健康寿命が食生活で変わる❔という報告がされました。
食生活スコアと身体機能障害の関係を評価したところ、スコアの高いヒトでは身体機能障害を起こすリスクが13%低かったのです。
健康的な食生活で身体機能障害を予防し、元気に長生きを目指しましょう♪
【試験概要】
- 研究デザイン:コホート研究
- 対象者:Nurses’ Health Studyより54,762名の女性。
- 研究期間:1992年から2008年
【試験結果】
- 食生活の質(Alternative Healthy Eating Index-2010:AHEI-2010というスコアで評価)の総スコアが最も高いグループは、最も低いグループと比較して身体機能障害をおこすリスクが13%低かった(HR 0.87)。
- 食品群ごとに評価すると、下記項目は身体機能障害のリスク低下と有意に相関していた。
- 野菜・果物の高摂取
- 砂糖入り飲料・トランス脂肪酸・塩分の低摂取
- 適度な飲酒
- 食品ごとに評価すると、オレンジ・オレンジジュース・リンゴ・梨・レタス・ロメインレタス・クルミの摂取が最も身体機能障害のリスク低下と相関していた。
- 食品群、食品ごとの相関は、総スコアと比較して概ね小さく、各項目よりも全体の食事パターンが重要だと考えられる。
【論文リンク】