European Heart Journal誌、2016年4月24日オンライン号より。


病気の予防や管理のための食生活というと、あれを食べてはいけない、これもダメ…と制限が多いようなイメージがあります。

確かに不健康な成分を含む食品はなるべく控えたいところですが、それよりも重要なのは健康に良い成分を含む食品を積極的に食べることかもしれません。

今回の研究では、健康的な食生活(地中海食)のスコアが高いと心血管障害の発症リスクが低く、不健康な食生活(西洋食)のスコアは特にリスクと関係なしと報告されました。


全粒穀物・果物・野菜・豆類・魚などを積極的に摂り、ポジティブな気持ちで健康的な食生活を目指しましょう♪

 

【試験概要】

  •  研究デザイン:コホート研究
  • 対象者:STABILITY研究より、安定した冠動脈疾患の男女15,482名。平均年齢67歳。
  • 期間:中央値で3.7年の追跡

食事に関するアンケートを元に下記2つの指標が算出された

  1. 地中海食スコア:
    • 全粒穀物・果物・野菜・豆類・魚・アルコールの高摂取
    • 肉類の低摂取
  2. 西洋食スコア:
    • 精製された穀類・嗜好品・清涼飲料水・揚げ物の高摂取

【試験結果】

主要な心血管障害を心血管死亡・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中のいずれかとして定義し、各スコアとその発症リスクの相関を評価したところ・・・

  • 地中海食スコアが高いと主要な心血管障害の発症リスクが低かった。
    • 15点以上:対象者の7.3%で発症
    • 13-14点:対象者の10.5%で発症
    • 12点以下:対象者の10.8%で発症
  • 西洋食スコアは主要な心血管障害発症リスクと有意な相関なし。

【論文リンク】

Dietary patterns and the risk of major adverse cardiovascular events in a global study of high-risk patients with stable coronary heart disease