あの時手放さなければ…
あなたともう一度出会ってから、
何度そう思ったことか。
あの時よりも、
今またこうして出会ってからの方が
手放した後悔が大きくなった。
どんなに後悔したって
あの頃に戻れるわけじゃない。
やり直せるわけじゃない。
時間は巻き戻せないけど
記憶を巻き戻して、
あの頃の自分に足りなかったものを
これからは補っていけばいい。
せっかくまたこうして出会ったんだから。
彼の闇を照らせるのは
きっと私しかいない。
そんな事をふと思う瞬間があった。
強がりで頑固で、意地っ張り。
こうと決めたら絶対曲げない。
他人の意見に流されない
我が道を行く。
でも本当は弱くて
強がってるけど孤独に怯えてて
寂しがり屋なあなたを
私は全て受け止めるよ。
お前は一生俺の側に居たらいいよ
お前は俺だけ見てればいい
不安になるから他は見るな
彼の立場で、本来こんな事言ってはいけない。
私だってわかってる。
でも、他の人に言われたら、
はっ？何で？
そんな事言える立場じゃないでしょ！
と突き返すのに
何でかな…
あなたに言われたらそんな事
これっぽっちも思わなかったよ。
この恋の結末がどうであれ
私はもう二度と
その手を離さないと決めたから。
どうしてお前なんだろう
どうしてあなたなんだろう
去るもの追わずな彼が
人生で初めて去るものを追ってしまった
それが私だった
こんな事初めてだって彼は言うけど
私だって初めてだった
人生で二度も同じ人に恋するなんて…
彼が私とのこの出会いを
ただの不倫で片付けられない程に
私を愛してくれているんだと
初めて気付いた。