なぜ血糖測定用センサは1回120枚しかくれないのか | 血糖知を上げてみる?

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糖尿病から得た「血糖知」を語るブログ。

インスリンを自己注射している人にはもれなく貸与される血糖測定器。でも、血糖測定にはセンサ(チップ)が必要です。これがなぜ1回の受診につき120枚までしかくれないのかについては理由があります。

インスリンの自己注射に関しては、医師の指導管理のもとに在宅等で注射を行なうということになっていて、かかる管理指導の対価として医療機関は在宅療養指導管理料を保険請求することができます。

インスリンユーザの血糖管理に欠かせない血糖測定については、たとえば、月20回以上なら400点加算、40回以上なら580点加算、60回以上なら860点加算というふうに、ひと月に測定する回数に応じて保険点数が加算(在宅療養指導管理材料加算)される仕組みです。

1型DMの場合、月80回以上の在宅療養指導管理材料加算をすることができます。月80回以上なら1,140点、月100回以上なら1,320点、月120回以上なら1,500点です。回数に関してはそれ以上の加算はありません。

なので、医師が月180回(1日6検)測定してもらおうとして1回の受診時にセンサを180枚出した場合でも、診療報酬制度上、それらは全部「月120回以上」として取り扱われます。1回に120枚を越える分については診療報酬では面倒を見てくれないのでその分の負担があったとしても医療機関の持ち出しということになるわけです。

これが月120枚の理由です。でも一日の測定回数は医師の指示で決まるものなので、1日6検でコントロールしてもらいたいと医師が考えれば180枚出せるのです。ただ、保険請求は1500点分しかできないというだけで・・。

では、保険診療で月180回の測定が不可能かというと、そうとも言えません。たとえばつきいちの受診で120枚しか出せないとしても初月と2ヶ月目は1日3検に抑えておけば3ヶ月目には2ヶ月分の余りと合わせて180回分のセンサが受診者の手許にあるので1日6検が可能です。

僕が発症した頃のルールでは、材料費加算ができるのは1ヶ月単位だったと記憶しています(間違ってたらごめんなさい)が、2012年の診療報酬制度では「3ヶ月に3回まで」となっています。これはちょっとした規制緩和のように読み取れます(いつからそうなっていたのかはわかりません。あしからず)。

つまり、この場合だと初月に2回受診すれば、たとえば、最初の受診日に120枚、2週間後に受診をしてもう120枚ということが可能になったわけです。3ヶ月合計360枚で回さなければならないということには変わりありませんけど、
思い立ったその月に1日6検の測定が可能になったという点が「3ヶ月に3回ルール」の効用だと言えましょう。

でも、診療報酬制度では(運用上の結果として「支給上限」のようになってしまっているけれども)、別に1ヶ月の上限を定めているわけではありません。「月120回以上」なんですから200でも300でも、医師が必要と判断すればその分のセンサは出さなくちゃいけないのです。

その辺の損益分岐点ってどのあたりなのかなあ。まさか、120枚がそうだとは思えないのですが、それがわかればもう少し勇気を出してそのラインまではユーザとして請求できるような気がします。